香川にとっての第一の試練

昨日は胃腸に疲れが出てサッカーを見ることに集中できず、山岳ステージ3連戦の最後となった自転車レース、ヴェルタエスパーニャを見ておりました。
その合間に、香川の今節の試合を「ながら見」で見ていたのですが、香川の方はサウサンプトンのガッチリマークに相当苦しんでいた様子ですね。
ちょうど、ドルトムントからシャヒンが移籍してボランチからのパス供給が激減し、2年目でエースの香川に対して相手もマンマークを付けて来た時も同じように、香川は存在を消されて存在感が出せていませんでした。
その時に転機となったのが、パスを受けられないのなら自らがパスを出す役を担おうとした事。つまり、香川が頻繁に中盤へと下がってボールを受ける事で、香川へのマンマークが緩くなると同時に、彼が下がって開けたスペースを使えるようになるという、二重の効果がありました。
ただ、それをユナイテッドでやれるかと言うと、そう簡単ではないかと思います。ドルトムントの場合は、何よりもクロップ監督の絶大な信頼があり、上手く行かない時でも変わらず香川は中心選手として扱われてましたし、フンメルスのフィードやピシュチェク、シュメルツァーのオーバーラップなど、ボランチ以外は香川向きの体勢が出来上がっていました。
今はちょうどその逆で、チームが4-4-2のサイドゴリ押しドリブルアタックからのクロスに慣れてしまっている事、香川はまだ実績がない新参組である事、そしてファギーがどこまで香川を信頼しているかはまだ不明である事など、環境的な面では非常に厳しい状態です。こうなるとルーニーの怪我も、香川とフィーリングが合っていた選手がいなくなったという意味では、かえって逆効果だったかもしれません。
今回の代表戦でまた疲労が蓄積するでしょうから、一度サブに回る可能性は高いでしょう。香川は疲労がプレイのキレにはっきり出てしまう選手ですし、プレシーズンマッチからの蓄積も相当溜まってそうなので、この際キチンとコンディションが回復するまで出番を待ったほうがいいかと思います。
その時に、自分をチームに合わせるか、チームが自分を理解してくれるまで辛抱強く待つか、当面の目標を固める決意が必要になって来るかもしれません。