「清武選手、初先発初勝利のブンデスリーガデビュー!」ドイツ・ブンデスリーガ第1節 ハンブルガーSV-ニュルンベルク

五輪でチーム合流が遅れてしまったせいで、両酒井や宇佐美といった選手がスタメンから漏れてしまう中、清武はしっかりトップ下で先発の座をゲットしてフル出場。チームもアウェイで1-0の勝利を飾る、順調なスタートとなった。
が、試合の内容的には多分にHSVの出来の悪さに助けられた面が多く、まだまだブンデスリーガ残留に向けて向上して行かないといけない部分が多く見られたのは確かである。
まず1つは、ドイツの中位以下のチームに良く見られるパターンなのだが、CBに高さはあってもスピードが足りず、基本的な位置取りが深いためにSBの裏のスペースが空きやすく、そこを相手に突かれてSHとボランチが下がって1トップと清武が孤立気味になる事が多かった。
ニュルンベルクの1トップで先発したのがポルターという選手で、これがまたお誂え向きにかつての杉本のような選手で、上背がある割にサイドへ流れてはドリブルをしたがり、中でポストプレイをして清武を使うような働きをしようとせず、仕方なく清武がポスト役をしようとするのだが、体全体で踏ん張って粘りつつもフォローが無くてロスト、という場面が多かった。
清武の美点として、もらったボールを確かな技術と判断で全体の流れを殺さずに前へつなげられる能力というのがあるのだが、彼が前を向いてボールを持っても中でのサポートがあまり無いので、仕方なく清武はサイドのオーバーラップに流して可能性の低いクロスやシュートで終わるというパターンばかりであった。そういう意味では、明らかに1トップは途中から出場したペクハルトのほうが清武向きだと言える。
流れの中からは点が入りそうな感じはあまり無かったけど、そういう状態でもセットプレイで点を取ったのは大きい。清武がアシスト未満になった得点場面以外でも、CKから2度ほど惜しい場面を作り出していて、それだけでも明らかにニュルンベルクにとっては大きな戦力になっていると言える。
デビュー戦後のインタビューの中で、清武は今後のA代表の座を狙っているとの発言があったが、1トップでやるのでなければ、香川・本田・岡崎以上の得点力を身につけなければ、彼らの牙城を崩して第1チョイスになる事は難しいだろう。
この試合でも2度ほどシュートを放つ場面があったが、どちらもGK正面に終わった。かつでバティストゥータだったかが、シュートなんてGKに向かって思い切って蹴ればいいと語ったらしいが、バティやビエリならともかく、清武がそれをやってもGKへのナイスパスになるだけなので(笑)、冷静にゴール隅を狙うシュートを身に付けてもらいたいところである。