ツール・ド・フランス2012 第16・17ステージ

長かったツールもいよいよクライマックス、ピレネーの超級峠を中心とした山岳ステージ2連戦は、チームスカイのウィギンス&フルームのコンビが盤石の強さを見せ、総合争いの座をほぼ確定させてしまいました。
得意なはずのタイムトライアルで遅れを取ったエヴァンスは、胃腸に異変をきたして16ステージでも17ステージでも遅れてしまい、完全に白旗を挙げてしまいました。
2分30秒差で食らいついていたニーバリは、16ステージこそ終盤のアタックでウィギンスを揺さぶりはしましたが、17ステージでは最後の頂上ゴールで遅れてしまい、さらに10秒あまりのビハインドを抱えてゴール。タイムトライアルではウィギンスにかなわない事を考えると、これで彼もほぼ終戦。
結局は何の波乱も無かった総合争いでしたが、その代わりに気を吐いたのが地元フランス勢。16ステージではヴォクレールが新城のアシストを受けつつ山岳を逃げて快走、一気に山岳賞ポイントでトップに立つと、17ステージでは山岳賞で2位につけるケシアコフをきっちりマークしながら峠頂上で交わし、着実にポイント差を積み重ねてマイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュをほぼ決定付ける快挙を成し遂げました。
そして同じチームであるピエール・ロランは昨年の新人賞に続いて安定した力を見せて総合で9位につけ、17ステージの頂上ゴールでウィギンスからわずか3秒遅れの4位でゴールしたピノの活躍が光りました。特にピノはまだ22歳と非常に若く、経験が何よりモノを言う自転車のステージレースでここまで走れるのは驚異的であり、フィニョン以来低迷を続ける地元にとっては久々に現れたスター候補でしょう。
今日のステージは、TTとシャンゼリゼが残っているのでツール最後の逃げ場と呼べるステージ。既にチームの目標は達成できているので、新城選手は自由に動けるはず。是非とも逃げを成功させてステージ優勝を狙って欲しいものですな。