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「目標はメダルか決勝トーナメントか」U-23国際親善試合 日本-ベラルーシ

日本のロンドン五輪での目標が、グループリーグ突破なのであればこれでもOKなのかもしれない。だが、メダルを狙うのであれば非常に物足りない結果であったと言わざるを得ないだろう。
確かに日本はボールを終始支配し、1-0というスコアで勝利という結果を出した。が、日本の攻撃がポゼッションほど相手に怖さを与えていたかというと、首を縦に振る人はいないに違いない。
それは、日本の攻撃にスピードや溜めといったメリハリが無い事に尽きる。日本の選手は細かく動いてパスコースを作り、その間をつなぎはするのだが、均等な距離を均等なスピードでパスを出しているだけなので、ベラルーシの守備に偏りや穴を作り出すことが出来ていなかった。
日本の選手が前を向いてボールを持っても、ドリブルやワンツーを仕掛けることがほとんど無く、相手を引きつける前にサイドへボールを渡してしまうので、両酒井がスピードに乗ったフリーな状態でクロスを上げられず、そうなると中も単純な相手との高さ勝負になってしまうので、結局そのまま跳ね返されるだけになってしまっていた。
かと言って、何かスピードのあるカウンターが出せていたかと言うとそれも無し。どうにもメリハリが無くて狙いがボンヤリしていて、明確な武器の無いチームであったと言うしか無い。
後半になっての攻撃に関塚監督は手応えを感じていたようだが、それは相手が疲れて来てスペースが出来たところでドリブルを仕掛けられる齋藤が入った事によるもので、本来であればそれぐらいは前半のメンバーで出来ていてしかるべきと言うか、それよりも5割増しのスピードとコンビネーションが出来るようにならないと、スペインやブラジルに対抗する事など夢のまた夢だろう。
とは言え、日本の光明もゼロだったわけではない。守備はやはり吉田が入ると安定感が違うし、彼はパスも出せるので日本の中盤が早いタイミングでボールを受けることが出来てリズムが作れる。予選では不安定だった山村もパスワークで良いところを出せていたし、杉本は勝負意識の強さで日本の沈滞していた空気を変えた。
是非とも次の試合では、日本の攻撃はこれだ!というスピード、コンビネーション、切れ味をベストのメンバーで見せてもらいたいものである。

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