ツール・ド・フランス第2・第3ステージ

第2ステージは、やっとこさやって来た純然たるスプリンター向けの平坦ゴールステージ。
とは言え、今年については現在最強スプリンターであるカヴェンディッシュが所属するチーム・スカイが、ウィギンスで総合優勝狙いを固めている事もあって、ゴール前での主導権争いはいろんなチームが入れ替わり立ち代りする激しい展開になり、最後はどこも強力なトレインを作らないバトルロイヤル状態の中から、最後に抜け出したのはやっぱりカヴェンディッシュ。
カヴェンディッシュと言えば、チームメイトがトレインをお膳立てした上で最後の200mに全力をかけるシーンが定番となっているが、このステージでは往年のマキュアンを思い出させるような神出鬼没のポジショニングで絶好の番手をゲットするなど、純粋なスプリント力に加えて経験も兼ね備えつつある事を証明しましたね。
しかし第3ステージは、第1ステージのようなアルデンヌクラシックステージで、3級4級の峠が終盤に連発するコースではカヴェンディッシュを始めとするピュア・スプリンターの出番はなく、ラストの7%勾配ゴールスプリントでは、カンチェラーラやニーバリ、ボアッソンハーゲン、そしてエヴァンスといったエース級選手が争うものの、第1ステージと同様にサガンが圧倒的な強さで千切って余裕の勝利。
平地のゴールはカヴェンディッシュ、上り基調のゴールではサガンと、完全に2強がはっきり並び立つ状態になってしまいましたが、次の第4ステージは完全平坦ゴール。ブルターニュ地方特有の強い風で集団が分裂したり、落車が起こるアクシデントが降りかからなければカヴェンディッシュ有利なステージなのは間違いないでしょう。
サガンはステージ勝利争いでは不利になるかもしれませんが、上りゴールでは全くカヴェンディッシュがポイントを取れないのに対し、サガンは平坦ゴールでも上位には食い込む事が可能なので、ポイント賞マイヨ・ヴェール争いで優位に立つためにも手は抜けないところでしょう。