「ようやくフランスらしい強さ」EURO2012 グループD ウクライナ-フランス

初戦でスウェーデンに勝った開催国ウクライナと、初戦はイングランドとドローに終わったフランスとの対戦は、フランスがようやくらしい試合を見せて完勝した。
EURO前の試合でも感じた事だが、フランスの選手は皆が労を惜しまず実に良く走る。特にこの試合では以前の4-3-3ではなくてナスリをトップ下にした4-2-3-1の形に変えてきたのだが、それがなおさら前線からのプレスを強めてコンパクトにする効果があったように思う。
ウクライナの方は、フォーメンーションは同じ4-2-3-1だが完全に守ってカウンターという形を狙って来た。その狙いはある程度功を奏し、激しくプレスをかけながらもカバーリングを怠らない守備とGKのナイスセーブ連発で前半は凌いだものの、メネズにDFの股間を抜かれるシュートを決められ、その3分後にはDFのカットがキャバイエの前に転がる不運であっという間に2点を取られ、完全にゲームプランが狂ってしまった。
失点を喫したウクライナはその後当然攻めに出るのだが、カウンターになりそうなチャンスでも判断やプレイにミスが多くてなかなかシェフチェンコにまで渡らず、淡々と控え選手を使って逃げ切り体制に入ったフランスが盤石の勝利を飾った。
フランスはまだベンゼマやナスリがそれほど存在感を見せていないのが心配だが、相変わらずリベリは好調だし、メネズは起用に答える結果を出すなどチームが良いリズムで回りつつある。最終戦は既に敗退が決まっているスウェーデンが相手だけに決勝トーナメント進出はまず固そうだ。
ウクライナはスウェーデンが草刈り場になってしまった事で突然予選敗退の危機が迫ってしまった。イングランドに勝たなければ、ポーランドと並んで開催国グループ落ちという不名誉になってしまうために、ここは是非とも意地を見せなければならないところだろう。