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「さてイタリアはここからどう打開するか」EURO2012 グループC イタリア-クロアチア

優勝候補のスペイン相手に引き分けたことで、一躍世間の賞賛を浴びる事になったイタリアだったが、スペインよりは確実に力が落ちるクロアチアに対しても引き分けと、一転して詰めの甘さを露呈する結果になってしまった。
スペイン戦でも、全体としてはハードワークで良く機能してはいるものの、戦い方に余裕が無いというか戦術的な幅の狭さをイタリアに感じたのだが、クロアチアが守備的に来た事で余計にその部分が強調される戦いになってしまった。
引いた相手に対しては、最終予選の日本がやっていた用にサイドがタッチライン際まで侵入してDFラインを下げる事が何より有効なのだが、イタリアのジャッケリーニ、マッジョのWBがクロアチアに縦を切られていて、ほとんどスペースに侵入させてもらえなかった。
それならば、マルキジオやモッタの中盤とポジションチェンジをしたり、コンビネーションで崩したりする工夫をすれば良かったのだが、中盤は常に守備に引っ張られていて前線やサイドとの流動性がなく、バロテッリはそれなりにシュートを打っていたがそのほとんどが単独で打開してのものだった。
イタリアは前半35分ごろには分厚く連続攻撃を見せはしたのだが、クロアチアの堅い守備に阻まれてピルロの直接FKから挙げた1点に留まり、後半になると守りの意識が増えてしまったのか、前半に見せたような積極的な攻撃参加がすっかり影を潜めてしまい、72分にクロスの目測を誤ったキエッリーニの裏で待っていたマンジュキッチに決められ同点にて終了。
まあ、簡単にグループリーグを抜けて来ないのがイタリアらしいっちゃらしいけど、スペイン戦からの課題であるバロテッリのおとなしさ、中盤両サイドの攻撃能力不足、ピルロ頼みのチャンスメイクという部分に進展が見られなかったのが心配だ。
クロアチアは、ドルトムントで輝いていたペリシッチが本当にいたの?というぐらい守備的過ぎて、この試合でもほぼワンチャンスをものに出来ただけなのでぶっちゃけ論評のしようがないなあと。スペイン戦でもガチガチに守るんだろうけど、よほどスペインが手を抜かない限りは勝ち抜けは厳しいんじゃないだろうか。
同勝ち点の場合は当該成績が優先されるので、スペインとクロアチアが2-2以上のドローで終わった時はイタリアの敗退が自動的に決定してしまうが、とりあえずイタリアはアイルランドに3点差以上で勝って、攻撃力に弾みをつけて吉報を待ちたいところだろう。

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