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「他人とは思えない両チーム」EURO2012 グループB デンマーク-ポルトガル

初戦でオランダを破る金星を挙げたデンマークと、ドイツに苦杯を喫したポルトガルの対戦は、当然ながらポルトガルが序盤から攻勢に出る展開で始まった。
が、デンマークも当然そこは承知でコンパクトな守備を自陣に固めてポルトガルのパス回しを封じに来たので、ポルトガルもじっくり攻める時間がなかなか与えられないのもあってか、早めにトップにボールを入れてナニとCロナウドの個人勝負で打開する形が多く、人とボールの動きとしてはどうにも落ち着かない試合になった。
そういった流れのまま、勢いで勝るポルトガルは25分にCKからペペがヘディングで先制ゴールを決めると、36分にはポスティガが2点目を決めてしまう。
デンマークは、ベントナーは味方のロングボールを拾うために前線でそこそこ頑張ってはいたものの、かつてはロッベンと並ぶドリブラーとして名を馳せていたロンメダールもさすがに衰えたのかほとんど存在感が出せず、中盤で全く攻撃が作れずに沈黙したまま。
と思ったら、前半のうちにデンマークが高さを活かしてゴール前で頭のつなぎから最後はベントナーが押し込んで1点差。内容的には大きな差があったが試合の行方としては分からない展開で折り返す。
後半になると今度は一転してデンマークがポゼッションを上げて来て、ポルトガルはカウンター狙いの形。で、いきなり5分にCロナウドがGKと1対1になるがセーブされ、その後もポルトガルにはデンマークのミスを突いてのカウンターチャンスが何度もあったのだが、エースCロナウドが33分にもまた1対1でゴール右側に外してしまい、みすみすデンマークに止めを刺すチャンスをフイにしてしまう。
そうするとサッカーの神様は必ずお仕置きをするもので、35分にヤコブセンのクロスにベントナーが長身で合わせる美しい形のゴールでデンマークが追いついてしまう。が、その後に投入されたポルトガルのバレラが、43分に右サイドから強烈なミドルシュートを叩きこみ、ようやくポルトガルが終始混沌としたこの試合にケリをつけた。
デンマークはオランダ戦に続いて皆が献身的に良く走って一度は追いつく健闘を見せたんだけど、最後は個人能力の差でやられてしまった感じ。スーパースターのCロナウドが不発でラッキーだったのだが、それでも勝ち越せなかったところに今までの日本と同じ悲哀を感じてしまう。
ポルトガルは勝ったから良かったものの、前半に2点を挙げておきながら詰めが甘く、あまりに決定機で外し過ぎ、あっさり高さでやられるところがまた他人とは思えない(笑)。次は崖っぷちのオランダが相手で、しかも同勝ち点の場合は対戦相手との勝敗が優先されるので、負けてしまうとグループ敗退が濃厚になってしまう。最終戦は目が離せない試合になりそうだ。

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