「ポーランド、ギリシャの術中に嵌る」EURO2012 グループA ポーランド-ギリシャ

ユーロの開幕を告げる開催国ポーランドの試合は、ワルシャワのナショナルスタジアムを埋めたホームの観客の声援もかなわず、ギリシャに対して痛恨の1-1ドローに終わった。
ポーランドには言うまでもなく、ブンデスリーガ得点王&MVPのレヴァンドフスキ、ウイングのブワシュチコフスキ、SBのピシュチェクといったドルトムント3人衆が並んだ右サイドが売りなのだが、その力が発揮されたのは前半17分にレヴァンドフスキが上げた先制点の場面ぐらいで、彼らにボールが渡る回数があまりに少なすぎた。
その原因はと言うと、ドルトムントとは違ってポーランドにはフンメルスも香川もギュンドアンもおらず、センターラインでしっかりボールをサイドへと運べる人材が居なかった事に尽きる。
ギリシャの守備はかなり早い段階からマンマークに付くという古典的な方法を取っていたのだが、これが見事にポーランドの攻撃を停滞させ、ポーランドが先制点を取った後は選手に安心感が出てしまったのか、足元足元へのサッカーになってしまい、中央からほとんどサイドに対して良いボールが出て来なくなってしまった。そして後半6分にクロスのこぼれ球をサルピンギディスに押し込まれて同点。
ギリシャは前半終了間際に2枚目のイエローでパパスタソプロスが退場してしまったのだが、そのおかげでさらにギリシャの狙いがはっきりしてしまって、追加点を奪おうと焦るポーランドはますます攻撃が空回り。後半23分に、ポーランドが不用意に上げたDFラインの裏をサルピンギディスに取られ、ポーランドGKシュチェスニーが倒して一発レッド&PK。
このPKは、交代で出場したGKティトンがカラグニスが右に蹴ったボールを読み切ってセーブし、ポーランドは九死に一生を得た形になったが、内容的には負けに等しい試合であり、今後の戦いに不安が残る開幕戦となった。