「フランスの戦いは日本のヒント?」国際親善試合 フランス-セルビア

セルビア代表はミハイロビッチ監督、フランスはローラン・ブラン監督と、中田のセリエA時代に現役だった選手が国の代表を率いて戦うという、私にとってはとても感慨深い試合はホームのフランスが2-0で快勝した。
昨日見たオランダとスロバキアとの試合と全く同じ結果にはなったものの、この2試合を見比べる限りでは、内容的にはオランダよりもフランスのほうがはるかに充実していたように見えた。
フランスは、ベンゼマの1トップの後ろにリベリとナスリが控える4-3-3なのだが、オランダのアフェライとロッベンがサイドに張ってドリブルしかやらないのに対し、リベリとナスリはピッチを幅広く動いてドリブルとパスをバランス良く繰り出せるし、ベンゼマも含めて守備をしっかりやるので、前半はセルビアが全く抵抗できなかった。後半のフランスは無得点だったが、これはフランスが明らかに自分達からペースを落とした気配があるのでほとんど参考にはならないだろう。
今年のユーロはドイツとスペインが本命とされているが、2番手に位置するのはイングランドでもオランダでも無く、実はフランスなのでは無いかと思う。セルビアの出来があまり良くなかったとは言え、仮にもユーロ予選でグループ3位になっているチームをここまで叩きのめせる実力はまぐれではない。
ところで、この試合でフランスが見せた戦い方は、オマーン戦の日本にとっても非常に参考になるのではないかと思った。
たとえバルサであってもしっかりベタ引きした相手をパスだけで攻め崩すことは困難であるわけで、では彼らが何故毎試合大量得点が出来るのかと言うと、自分達がボールを奪われてもすぐに守備へと切り替えているからであり、相手が攻撃に転じた瞬間にまたボールを奪い返せば、3秒前には鉄壁だったはずの守備は、その瞬間に隙だらけの状態に変化しているという寸法だ。
史上最強と謳われたトルシエ時代のアジアカップも、単に攻撃能力が凄かったのではなくて、フラット3による激しいプレスで相手のボールを高い位置で奪いまくった事があの非常な得点力につながっていたわけである。
その辺もちゃんとザックはお見通しで、先日の練習試合では守備への切り替えを早くしろとの雷が飛んでいたようだが、相手にボールを奪われた時にこそ激しく守備をする「スーパーショートカウンター」が出来るかどうかが、最終予選での日本の鍵になって来るのではないかと思う。