曲がり角に来ているJリーグの強化

今週のミッドウィークに行われた、ACL決勝トーナメント1回戦は、3チームいたJリーグ勢が全て敗退し、今年も早々にアジアチャンピオンへの道が閉ざされてしまいました。
今までであれば、ACLでは汚いファールを取られなかったり、日程的に他のリーグよりも厳しい状況だったりというエクスキューズがあったのですが、今年はそれほど判定に偏向がなく、少なくともKリーグはACL偏重日程では無くなり、今までお得意さんだったオーストラリアのチームにも負けるなど、残念ながら純粋に力負けしてしまったという見方が強いようです。
ACL出場チームが、今期のJでは6、12、13、16位なのだから仕方ないという意見もありますが、なれば何故過密日程が予想されていながらそれをこなせるだけの戦力が持てなかったのか、という所が今度は問題になって来ます。
それはやはり、日本経済が落ち込んで親会社の支援とスポンサー収入、観客動員による入場料収入が減り、多くのクラブでは債務超過にならないように耐えるのが精一杯という現実があります。これでは金満中国・アラブ勢との外国人選手獲得競争に勝てるはずがありません。
若手有望選手が海外に行きたがるのも、単純にJリーグが欧州のクラブと張り合えるだけのサラリーを払えないからでもあり、移籍金にしたって高額で長期契約が結べない財務状況ではせいぜい1~2億程度しか取れず、それでは単年度決算を黒字にする助け程度が関の山でしょう。
トゥーロンを見ても、選手の能力に大きな差は無くても海外組と国内組では国際大会での自信や馴れが全く違ってくるわけで、海外組が代表レギュラーのほとんどを締める昨今では、国内組が代表に選ばれたとしても海外経験を多くは積めなくなりつつあります。そしてさらにクラブでの経験不足が深刻になる・・・
じゃあどうすればいいのかと言うと、これが簡単に解決できるようなら誰も苦労はしません・・・
一つの対策としては、東南アジアへの放映権販売でしょうか。しかしそれも、東南アジアの選手を獲得することである程度注目は得られても、結局ACLでポロポロ負けてしまうようなリーグではプレミアリーグ人気には勝てないわけで、また話は振り出しに戻ってしまいます。
それを補うためにもう一つ、アジア・チャンピオンズリーグの東西分割。これにより日本と東南アジアからの参加クラブが増え、どちらにもマーケティング的な旨みが出てきます。中国や韓国クラブとの試合が増えるのを嫌がる向きもあるでしょうが、経験を増やさなければ対策も出来ませんからね。
もっとも、ACLの分割はAFC自体の分割と切って離せない問題でもあり、一朝一夕には進まない話でしょうが、何とか日本協会が主導して検討していってもらいたい課題だと思っています。