「今は結果よりも経験が重要」トゥーロン国際大会グループA 日本-オランダ

相手がU-21世代の2軍主体とはいえ強豪のオランダを破ったという事は選手の自信につながるし、おそらく五輪本番になってからアタフタする事も無くなるだろうし、この試合は日本にとって非常に良い成果をもたらしてくれたのではないだろうか。
と一旦持ち上げてはみたものの、私のような天邪鬼からすると結果ほどには試合内容としては良くなかったかなと(笑)。
まず、とにかくアヤックス所属のルコキにほとんど歯が立たず、ひたすらサイドを破られまくってクロスを自由に上げさせてしまった事。対面の比嘉がボロクソに叩かれているが、左サイドに回った時には大岩も軽く千切られていたので、国内組の守備陣誰を持って来ても同じ結果になったかなと。
オランダリーグの高木に言わせると、縦を切っておけばそれほど怖くないらしいが、Jリーグでは全く経験出来ないタイプの選手なので、何をどう切ればいいのか全く分からず、とりあえずヨーイドンで走ってみました、という対処しか出来なかった感じ。
クロスが止められないなら中での対処が重要なんだけど、1失点目の山村のマーク外しを見ても分かる通り、CBの対応も甘々でオランダが個人能力だけでなくてコンビネーションを交えて攻めて来てたらもっと得点を取られていただろう。はっきり言って、OAを入れるならCBとSB1枚は確実に必要だろうね。
前線の4人については、このまま五輪メンバーは当確と言って良い出来だったかなと。特に齋藤はこの試合でも素晴らしい出来で、ドリブルの能力はもちろんだが守備にも労力を厭わないのは欧州のスカウトにもアピールしやすいポイントだろう。ただし、シュートの決定力はもうちょっと向上させないとね。
指宿は初めての先発だったが、シュートへの意欲があってしっかり足元にボールを納められる点は評価が高い。動きのもっさり度合いが高めでスピードに欠ける点が問題ではあるが、このチームは2列目がそれを十分補えるので問題は少ないかと。
そして注目の宇佐美についてだが、やはり何だかんだで彼はボールを落ち着かせられるし、視野が広くて長いパスを出せるのでレギュラーとして必要な人材だなあと。試合の序盤は足元だけでプレイする傾向にあったが、すぐゲーム感を取り戻してプレッシャーがある中でも確実にプレイ出来ていたので安心できた。ただ、ホッフェンハイムでやって行くにはもっと守備の運動量を上げないといけないし、ボールを引き出す動きも必要だろう。
高木も攻守に頑張ってはいたけど、もっとSBが絡んでどうなるかというのを見たかったかな・・・五輪本大会で両酒井が出られればいいんだけど、その辺をザックがどう考えるか。とにかく、次のエジプトにもしっかり勝ってもらって、少しでも貴重な経験を積んで帰って来てほしいものだ。