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「内容的にはドルトムントに匹敵?」J1第11節 サガン鳥栖-大宮アルティージャ

シーズン序盤を好調なスタートで飾った両チームの試合とあって、互いにコンパクトかつコレクティブで攻守の切り替えが非常に早く、内容だけならドルトムントに劣ってないぐらいの好試合を見せてくれた。
前半のペース的にはやや鳥栖の流れ。とは言え、ボールポゼッションは個人能力で若干上回る大宮のほうが高かったのだが、大宮は中盤をダイレクトパスを多用してチョ・ヨンチョルのサイド攻撃を軸として素早く斬りこむものの、SBとSHのコンビネーションがあまり無いのでサイドを厚めに守る鳥栖の守備が崩せず、どうしても早めの位置からのクロスという単調な攻撃が多くなる。
逆に鳥栖は、ある程度大宮に攻めさせてからボールを奪うと、そこからサイドのスペースを狙って大きく展開して水沼らを走らせる攻撃が機能し、前半のうちに金民友が2度ほど決定的なシュートを放つがクロスバーに当たるなどして得点には至らない。
後半になると、徐々に鳥栖の運動量が落ちだしてペースは大宮に傾き始める。14分にラファエルを入れて2トップにしてからは、大宮の早めにFWへとボールを入れるシンプルな攻撃に鳥栖が手を焼くようになり、とうとう37分に右サイドからのパスを受けたラファエルがPA内へと切り返しを入れつつ攻め込み、マークを集めたところで中央にパス、これを青木が正確に流し込んで大宮が先制点を奪った。
しかし試合はこれで終わらなかった。後半ロスタイムに鳥栖はスローインのチャンスを得ると、藤田のロングスローが長谷川と早坂がもつれたところに飛び込み、ボールは2選手と交錯しながらゴールの中へ。ホームの鳥栖が劇的な同点ゴールでドローに持ち込んだ。
両チームで目立ったのはチョ・ヨンチョルと金民友の韓国人選手。最近は日本のほうが圧倒的に欧州での活躍度で上回るようになったが、やはり個人での打開力という点ではまだ彼らに分があるなと。特に金民友は得点力の無い香川という感じで(笑)、好調鳥栖を引っ張る原動力となっている。
2012年のU-16アジア予選ではグループリーグで、U-19アジア予選では準々決勝で当たる可能性のあるグループと、日本はまたも韓国との戦いを強いられており、しかもU-20世代は2大会連続、特に前回は香川、宇佐美、指宿、酒井高徳というそうそうたるメンバーを擁しながらも敗れている事を考えると、いつまた力関係が逆転してもおかしくない。良いサッカーをやりながもら若手がしっかり育つリーグにして行かないとね。

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