「シュツットガルトは6位でフィニッシュ」ドイツ・ブンデスリーガ第34節 シュツットガルト-ヴォルフスブルク

この試合も日本人が3人出場する可能性があったはずなのだが、長谷部は噂されている移籍交渉(?)のためにチームには帯同せず、岡崎はインフルエンザのために欠場で、結局最終戦は酒井1人のみの出場という寂しい事態になってしまった。
しかし、試合はハノーファーとEL出場権争いをしているヴォルフスブルクが相手とあって、緊張感の高い内容となった。
シュツットガルトは相変わらず酒井がむやみに高い位置取りをして攻撃的な姿勢を見せるものの、酒井とハルニクのサイドをヴォルフスブルクが重点的にマークしていたので、シュツットガルトの攻撃は左SBボカが絡む形が多くなっていた。
ボールを保持するシュツットガルトに対し、ヴォルフスブルクの選手は局面局面で体を張って良く戦い、1トップのイビシェビッチには厳しくマークを付けてパスを出させず、シュツットガルトにいつもの攻撃パターンを許さない。
すると、27分に中盤でボールを奪われてのカウンターから酒井のマークが間に合わずにクロスをヘルメスに決められ、60分にはセットプレイからルスに押し込まれるという、シュツットガルトにとっては非常にリズムが悪い展開。
ところが74分にセットプレイからカカウがヘッドで決めてシュツットガルトが1点を返すと様相がガラリと変わる。4分後に、右サイドで切り返しから酒井が高速クロスを上げると、これを一旦はGKが弾くのだが、こぼれ球をロドリゲスが倒れ込みながら決めて同点に。そしてその2分後には、右サイドをオーバーラップした酒井からグラウンダーのクロスが入り、イビシェビッチがスルーしたところを最後がトラオレが詰め、シュツットガルトが一気に逆転してしまう。
ヴォルフスブルクも長身のポルターを投入して反撃を試みるも、シュツットガルトがきっちり守って逃げ切り最終戦をホームの白星で飾った。
酒井については、ほぼ1.5アシストでシュツットガルトの逆転劇をお膳立てした一方、ヴォルフスブルクの1失点目では帰陣が間に合わず、2失点目もマークを外していたっぽいし、どうも守備では相変わらず不安定さを露呈した格好。
ただ、純粋に相手をマークしながらの1対1では負けていないし、前節のように常に守備しないといけない状態ではそこそこやれていたので、やはりポジショニングが高すぎるのと局面でボールに引っ張られすぎるために、背後の守備のバランスがおかしくなってしまう。その辺は同じポジションの内田と全く正反対なスタイルなのが面白い。
ザックが代表で3-4-3の導入に苦労しているが、ついサイドが下がって5バックになりがちな代表3バックだったら、長友・内田よりも両酒井のほうが機能するようになるんじゃないかと思う。現時点で彼らを押しのけるのは難しいかもしれないが、是非近いうちにW酒井で3-4-3を試して欲しいところだ。