「CL争いに向けてまた一歩前進」イタリア・セリエA第35節 インテル-チェゼーナ

既に降格が決まっている最下位のチェゼーナとのホーム戦とあって、楽勝で勝たなければならなかったはずのインテルだったが、現実は非常に厳しい展開を強いられる試合になってしまった。
インテルはミリートではなくパッツィーニを1トップの先発にしてきたのだが、チェゼーナはほとんど5バックの形でガッチリと守備陣形を形作り、それもただのドン引きでは無くて攻撃時にはしっかり押し上げる堅実な守りをし来たので、インテルがボールを奪っても前線に飛び込んで行く人数が足らず、いかに点で合わせるのが上手いパッツィーニと言えど1人だけではどうにもならず、決定的な場面があってもGKアッビアーティが気迫溢れるセーブを見せて得点を許さない。
逆に後半になると、53分にロングボールに対するラノッキアの軽い対応からイアキンタにバー直撃のシュートを食らって冷や汗をかいたと思ったら、58分にはアルバレスがPKをもらいに倒れてみせたところからのカウンターで、長友が誰もマークについてなかったチェッカレッリにマークを移そうとしたところでシュートを打たれ、長友の体に当たって決まる不運で何とチェゼーナが先制してしまう。
これは今日のインテルは運に見放されているなと思ったのだが、その2分後にオビの何でもないミドルシュートがフォン・ベルゲンに当たり、力のないボールがチェゼーナゴールにコロコロ転がるラッキーな同点ゴールが決まり、これでインテルが息を吹き返した。
逆転を狙うインテルはここでパッツィーニとアルバレスを下げてミリートとサラテを投入、するとその采配が見事に当たり、72分にミリートのシュートのこぼれ球からサラテがさらにシュートを放ち、そこからサイドでボールを拾ったグアリンがクロス、これをフリーでいたサラテが難なく決めてインテルが逆転。ここまで粘り強く守っていたチェゼーナだったが、ここまで左右に振られるとどうしようも無かったか。
後はインテルがポーリを入れて守備を厚くして何とか逃げ切り。既にナポリがローマと引き分け、この試合の後に行われたラツィオがウディネーゼに敗れてしまったので、これで何と勝ち点55でナポリ、ウディネーゼ、インテル、ラツィオの4チームが並ぶというとんでも無い事態になってしまった。とは言え、得失点差ではナポリとウディネーゼが大きく上回っているので、インテルとしては残り3試合を全部勝つしか無く、まだまだ楽観視出来る状態ではないが。
長友については、失点に絡んでしまったとは言え、全体的には堅実な守備と豊富な運動量を見せ、1対1でも積極的に仕掛けるなどしっかりインテルの勝利に貢献出来ていたと言える。相変わらず仲がいいくせにスナイデルにオーバーラップを使ってもらえていなかったけどね・・・(笑)