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「マイスターシャーレ連覇!」ドイツ・ブンデスリーガ第32節 ボルシア・ドルトムント-ボルシアMG

ブンデスリーガ連覇がかかり、CLストレートイン圏内をシャルケと争っているボルシアMGとのダービーとあって、普通ならヒートアップしてもおかしくない対戦ではあったが、チーム状態の差もあるのか意外とあっさり決まった印象の試合だった。
序盤から引いて守るボルシアMGに対し、今やすっかり中盤のスタメンに定着したギュンドアンやフンメルスからの縦パスを中心に攻めるドルトムント。しかし最近はギュンドアンのボールの持ち方や捌き方が香川そっくりになって来て、身長も似ているので見間違えることが多い(笑)。
ドルトムントはボールを支配するが連続攻撃をかけるほどリスクは犯さない様子で、香川に2度ほど単発のチャンスはあったものの決め切れずジリジリとした展開が続くが、そういう時はセットプレイとばかりにシュメルツァーのFKにペリシッチが頭で合わせて前半27分にドルトムントが先制する。
後半になると、クロップ監督の檄でも飛んだのか、一気に選手の流動性が高まってドルトムントの攻撃が激しくなるが、その分危ないミスも増えてサイドのスペースを突かれ、ロイスやハンケに危ないシーンを作られて冷や汗をかくシーンも出て来てしまう。
そこを救ったのがエースの香川で、後半14分にGKヴァイデンフェラーがシュメルツァーにボールを投げ、そこから一気の縦パスにレヴァンドフスキが抜け出し、折り返しのパスに対して香川は左足のトラップで前にボールを運んでダイレクトを予測していたGKの体制を崩し、再び左足でゴールに流しこむという完璧な形で決定的な2点目をゲットしてしまう。
香川がレヴァンドフスキからボールをもらう前にこういう形で決めようとイメージしていたことは間違いなく、改めて日本人離れしたシュートイメージの豊富さと、それを可能にするトップスピードでの技術の確かさに舌を巻く思いであった。
そしてお役御免の香川と交代で、怪我から復帰したゲッツェをピッチに立たせるという昨年の香川復帰時を思い出させる余裕の采配で、最後はややバタバタしてしまった部分はあったがドルトムントが無失点でマイスターシャーレ獲得に花を添えた。
それにしても、前半戦の不調やCLでのグループステージ敗退と、チームに不協和音が漂ってもおかしくない状況から良くここまで上り詰めたものである。特に、この上位3連戦を苦しみながらも全て勝利で飾ったあたりは、クロップ監督の手腕はもちろんだがチーム全体での経験値が一段階上のレベルになったのではないかという気がする。
これからは否が応にも香川の去就に注目が集まるだろうが、おそらく今のドルトムントであれば今期のCLのような脆い結果にはならないはずだし、個人的にはもう1年ドルトムントでやってもいいのではないかと思う。まあ、それが出来ない年数の契約を強いられているかもしれないので外野には何ともしようがないが、うまく妥協点が見つかればいいなと思う。

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