「4試合で15得点」ドイツ・ブンデスリーガ第31節 シュツットガルト-ブレーメン

一応は勝ち点4差でヨーロッパリーグを争うライバル同士の試合ではあったが、けが人続出のブレーメンに対して現在絶好調のシュツットガルトがまたも4得点を挙げる驚異的な破壊力を見せつけ、欧州戦に大きく近づいた。
ホームのシュツットガルトは試合序盤から完全にペースを握ってブレーメンを攻め立てる。対するブレーメンは自陣にしっかりと守備の壁を作り、忠実なマーキングでシュツットガルトの攻撃を最後のところで封じ込めて決定機を作らせず、25分にはカウンターから酒井がファーサイドにいたローゼンベリのマークを外してしまったところにクロスを入れられ、逆にブレーメンが先制してしまう。
これでシュツットガルトにとっては嫌な展開・・・に、普通ならなるはずなんだけど、おそらく今のシュツットガルトには、1点など蚊に刺されたほどの痛みしか感じていないのだから恐ろしい。
その後も全く動揺すること無くシュツットガルトの猛攻は続き、酒井の活躍に刺激を受けたのか、左SBで先発したモリナーロも果敢なオーバーラップと思いきりの良いパスでサイドを制圧、37分に彼からパスを受けたゲントナーが目の覚めるようなミドルを突き刺して同点に追いつくと、前半終了間際にはセットプレイからハルニクがこぼれ球を押しこんで逆転、あっさりリードを奪って前半を折り返す。
後半になると少しシュツットガルトのペースが落ちて、酒井のオーバーラップの回数も前半に比べると数は減ったように見えたが、8分にCKからハルニクが自分の手に当てて蹴ったゴールが認められてシュツットガルトの方がラッキーな3点目を奪う。
このあたりからようやくブレーメンがシュツットガルトに対して攻勢に出るようになるが、ラバディア監督は岡崎、カカウと元気な選手を終盤に送り込んでプレスを強化する余裕の采配を見せ、最後は酒井のFKからカカウが4点目を決めて圧勝劇を締めくくった。
これでシュツットガルトは4位ボルシアMGに勝ち点4差と迫り、本当にチャンピオンズリーグ出場が視界に入って来てしまった。ボルシアMGがドルトムントとの対戦で敗れ、シュツットガルトが失意のバイエルンに勝ってしまうと、本当にまさかが起きてしまうかもしれない。まあ、もし出られたとしても守備力が無いと欧州戦を勝ち抜くのは厳しいだろうけどね(笑)。
酒井については、確かに失点の直接的な原因になってしまったのだが、一度高い位置でボールを持たせてしまうと、両足どちらからでもパスやクロスが出来るために、相手がほとんど止められない存在になってしまっている。ドイツではまだA代表歴がない酒井に対して半分本気で帰化を進めろとの論調が出ているようだが、早いことザックは彼を呼んでおかないと本当にマズイのではないだろうか。