「バイエルンの足音が迫る」ドイツ・ブンデスリーガ第28節 ボルシア・ドルトムント-シュツットガルト

マイスターシャーレの2年連続獲得のためにも、ドルトムントにとってはホームできっちり勝っておかないと行けない試合だったが、一度は2点をリードしながらも何と70分過ぎに3点を叩きこまれて逆転を許し、再度2点を入れてリードするもロスタイムに追いつかれるという失態を演じてしまった。
確かに、試合が始まった当初からどうもいつものドルトムントとは違うな、という雰囲気はあった。それは、普段に比べてDFラインの位置取りが低く、中盤にスペースがあるおかげでセカンドボールを拾いきれなくて逆襲を許すシーンが多かった。
それでも、シュツットガルトの両SBの位置がやたら高かったのもあって、前半のドルトムントはサイドから何度も決定的なチャンスを作り出してはいたものの、4点は入っていたはずの前半では香川が決めたたった1点のリードに終わり、後半4分にボカの完全なマークミスからクバが2点目を奪ったところで、これで試合の行方はほぼ決まったかなと思われた。
が、そう思ったのはドルトムントの選手も同様だったようで、そこからドルトムントの押し上げがみるみるうちに弱くなり、たまにカウンターからチャンスを迎えるもののレヴァンドフスキやクバが決められず、香川にも疲れが見えてミスが増え始め、前線が孤立して攻撃が組み立てられなくなってしまう。
イケイケのシュツットガルトは、酒井もほぼ右サイドを上がりっぱなしで、アシストにはならなかったがクロスを量産、そしてゲントナー投入直後の71分に好調イビシェビッチがゴールを決めると、今度はシーバーにドリブル突破を許して同点、あとは御存知の馬鹿試合。
酒井については、まあ引き分けたから良かったようなものの、不用意に高い位置取りで何度もサイド突破を許していたのはちょっといただけない。これがイタリアなら一発でベンチ外コースだよ(苦笑)。攻撃では低い位置からも良く縦パスを通していて貢献度は高かったが、五輪までにちゃんと守れるポジショニングを会得してもらわないといろいろ困るんだけどねえ・・・でもシュツットガルトにはそれは期待できないだけに悩ましいところ。
ドルトムントで気になるのは、守備の大黒柱であるフンメルスが自分で1ゴールを決めたとは言え、シーバーへのスライディングが甘かったり、ヘディングのポジショニングが悪くてゲントナーにゴールを決められたりと確実に2失点の原因に絡み、ラインの位置取りも低かった事。本人の体調なのかメンタルなのかは分からないが、少なくとも普通の状態で無かったのは確かである。
バイエルンがニュルンベルクに勝ったために、これでとうとう勝ち点差は3まで迫って来た。下降気味のドルトムントとは逆に、今度はバイエルンに調子が出てきているので、次次節の直接対決で負けてしまうとそのままズルズルと最後まで行ってしまう可能性は高いんじゃないかと思う。香川もチームもここが正念場だ。