「チームも酒井も運があった」ドイツ・ブンデスリーガ第27節 シュツットガルト-ニュルンベルク

シュツットガルトは、最近は宇佐美や清武の移籍話で日本のメディアを賑わせている、勝ち点差ではライバルとなるニュルンベルクとの対戦。
今やEL圏内を狙える位置まで上がって来たシュツットガルトだが、この試合では岡崎とブラルーズが怪我で欠場、チーム躍進の原動力となっているイビシェビッチが出場停止と非常に苦しい台所事情。そこでカカウを1トップにして酒井を右SBにし、ボカを左SBにしてみたのだが、これがほとんど機能しなかった。
ニュルンベルクの激しいプレスからの速攻にシュツットガルトは完全に後手を取ってしまい、レギュラーのタスチの代わりにマサが入ったDFラインの息が合わず、ギャップの間をニュルンベルクに突かれ、序盤からいきなり2度も決定機を与えてしまう苦しい展開。
攻撃でも、真ん中でポストをしていたイビシェビッチとは違い、カカウはサイドに流れて受けるプレイが多く、中でどう動いてそこから繋げるかの認識共有がほとんど出来ておらず、左のシーバーは守備に追われてばかりで前線に絡めず、ハルニクも前線で溜めが出来ないために前を向いてボールを持てず、攻撃の厚みが全く作れない。
後半になってシーバーを1トップに上げ、カカウを左ウイングにしてからようやくシュツットガルトは攻撃の形が作れるようになったが、お得意のハルニクが飛び出してのシュートもなかなか決まらず、ボカと酒井のサイドでの守備が不安定なのもあってシュツットガルトがペースを握るまでには至らない。
しかしニュルンベルクもオーバーペース気味だったのか、75分ぐらいから急にプレッシャーがかけられなくなってシュツットガルトの2列目がボールを持てるようになる。そして78分に、バイタルで前を向いたハイナルからカカウへと相手の股を抜くスルーパスが決まり、これをカカウが落ち着いて流し込み、シュツットガルトが苦しみながらも勝利を手にした。
酒井については、不慣れな右というのもあってか加入直後に見られたようなポジショニングにアタフタする素振りが多く見られ、特に自陣を向いた時のカバーに入る動きやスクリーンが甘く、相手に追い越されてゴール前で先にクロスを触られたり、体を入れ替えられて突破を許すなど守備の不安定さが目立った。
まあ、逆サイドのボカがそれ以上に酷かったし(笑)、攻撃ではあまりハルニクとはコンビネーションプレイが出来なかったとは言え、相変わらずテンポと思い切りの良いプレイを随所に見せていたので印象としてはプラマイゼロかな。ブラルーズに上位クラブからのオファーがあるので、今後は右サイドでのプレイも増えるかもしれない事を考えれば、こういう機会で慣れておかないとね。