「内田久々のフル出場」ドイツ・ブンデスリーガ第25節 シャルケ-ハンブルガーSV

ここのところの3連敗ですっかり優勝争いから脱落した感のあるシャルケだったが、内田が先発してのHSVとの試合は、久々に3点を取っての快勝・・・と書きたいところだが、実際はかなりアップアップの内容になってしまった。
シャルケのチーム状態の悪さは試合開始からすぐに分かってしまった。とにかくDFラインの位置が低すぎてアンカーのジョーンズの両サイドのスペースにどんどんHSVの選手が入って来て、サイドで数的優位を作られてさらにラインが下がり、ゴール前に飛び込まれるという悪循環。
そうなると、当然ラウルはボールを受けに低い位置まで下がり、FWは完全に孤立してボールキープを試みるだけで精一杯で、ほとんど前線の選手が前を向けるようなシーンが作れていなかった。と言うか、全体的に選手のコンディションが悪くて、何とか元気なのはFWのプッキと、闘莉王並に上がりまくるアンカーのジョーンズぐらいだった。
が、そんな調子でも何故か前半33分までにシャルケが3点も取ってしまうのだからサッカーとは不思議な競技で、開始5分にラウルとフラドがパス交換する間にスルスルと内田がオーバーラップし、タッチラインギリギリから上げたクロスがプッキにピタリと合わせて先制すると、CKから相手選手が交錯してゴール前ど真ん中でフリーになったメッツェルダーが決めて2点目、最後はかなり怪しい判定のPKで3点目と、優勢だったHSVにとっては悪夢のような展開になってしまった。
HSVは前半に1点を返し、後半もほぼ一方的にシャルケを攻め立て、数えきれないぐらいにサイドを突破するものの、肝心なところでミスが出たり、クロスが味方にギリギリ届かなかったりで、最後の至近距離からのシュートもマティプの体に偶然当たってしまう不運さで敗退。HSVには残留争いがそこまで迫る状況になってしまった。
内田については、アシストになった最初のクロス以外にも、ようやく体にキレが戻ったのかビルドアップに精度があり、スライディングや頭で突っ込む守備にも果敢にチャレンジするなど、積極性と好調ぶりをアピール。ただ、中盤のフラドがあまり積極的にカバーをしたがらないプレイ姿勢だったので、サイドで2対1の状況に晒される事が多く、基本はリトリート守備をする傾向にある内田にとっては厳しい状況に陥る場面も多かった。
しかしヘヴェデスに続いてヘーガーも怪我になってしまったので、これからも内田がスタメンで起用される可能性はかなり高くなるだろう。ようやく調子も復活してきたようなので、この機会を逃さずベストメンバー復帰につながる活躍を見せてもらいたいところだ。