「インテル9試合ぶりの勝利」イタリア・セリエA第27節 キエーボ-インテル

ここまで公式戦9試合勝ち無しと絶不調を囲ってしまっていたインテルだったが、キエーボとのアウェイ戦でようやく勝ち点3をゲットすることが出来た。
しかしこの試合も展開的には非常に苦しいもので、前半にせっかくPKのチャンスをもらっていながらこれをミリートがど真ん中に蹴ってしまい、キエーボGKソレンティーノに阻まれて得点ならず、その後もインテルボールの時には11人を自陣で固めるキエーボの前になかなか決定的なチャンスを作れずそのまま試合は終盤に。
そしてようやく87分に、右CKにフリーで飛び込んだサムエルが、当たりは悪かったもののボールが上手くゴール端に飛び込む執念のゴールで先制すると、ロスタイムには右サイドをカウンターで突破したサネッティから最後はミリートが頭で合わせ、今までのうっぷんを晴らすような連続ゴールで苦しい試合にケリをつけた。
インテルはスナイデルの持ち過ぎやマイコンの多いボールロストなど、攻撃の連携という点ではあまり良い出来とは言えなかったが、やっとこさ全体的なコンディションが上向いて来たようで、各選手のキープ力でキエーボのプレスに対して何とか持ち堪えていたのが、試合最終盤での勢いの差につながったと言える。
その中でも、この試合ではスタンコビッチからの展開パスが効いていて、先発のポーリもそれなりに頑張ってはいたものの、やはりインテルはタレント集団なんだなと再認識させられた。長友はいつもに比べてあまり活躍が目立たなかったが、本来の役割からするとSBはそれほど目立たないのが普通であり、今までのインテルがいかに異常であったかを示しているようなものである。
今のインテルが、ベテランの世代交代を進めなければならない時期に来ているのは間違いないが、いきなり長友やポーリ、アルバレス、ラノッキアが主軸になっても当然ながら上手く行くわけは無いので、若手に経験を積ませつつベテランに不満が出ないようにやりくりするという難しい仕事が、来季の監督に求められてしまうのは確かだろう。