「アメリカに初勝利で決勝進出!」アルガルベ杯 グループB 日本-アメリカ

いや~、まさか日本が体調不良の澤抜きで、W杯も公式記録では引き分け扱いで、今まで一度も勝てていなかったアメリカに90分で勝ってしまうとはさすがに想像出来なかったよ。
しかし、内容的には非常に厳しかった。日本は澤に代わって田中が入り、阪口とダブルボランチを組んだのだが、阪口はそれなりに左右にボールは散らせていたけど、田中の球離れが非常に悪くて前線
がポストワークに動いても反応できず、今まで澤が担っていた縦へのパスがほとんど出せずに遅攻を強いられ、日本らしい速い攻撃がほとんど繰り出すこと出来なかった。
中を固められていたのであれば、攻撃の主軸はサイド攻撃にならざるを得ないのだが、鮫島のサイドにはスピードとフィジカルに長けたオライリーがいてスペースのケアを怠るわけにはいかなかったし、近賀はあまり調子が良くなくてボールを持ってからの判断とプレイ精度に欠けていた。
そんな状態なので日本がボールを持っても結局どこかで足とボールが止まってしまい、アメリカのプレスを受けて慌ててパスを出すも、受け手も足を止めているのでバックパスになるか、呼吸が合わなくてミスになったりし、そこからモーガンの飛び出しなどの速攻を食らって決定的なピンチを何度も作る始末だった。
もしアメリカが後半に沢山あったチャンスに一度でも決めていれば勝負あったになっていたと思うのだが、日本にとってはラッキーな事にことごとくシュートミスに助けられ、アメリカも攻め疲れてややプレスの足が止まってきた83分に、伝家の宝刀宮間のCKから高瀬が頭でうまくコースに流しこんで何と日本がワンチャンスで先制、そのまま逃げきってしまった。
何だかんだで内容が悪くても結果を残せるようになったのは、もちろん運もあるけど日本の選手にそれだけ勝者のメンタリティと経験が積み重なってきた証拠であるように思う。澤の後継者は頭の痛い問題ではあるけども、こういう試合をこなして行くことで少なくともメンタル面ではカバーできるのではないかと思う。
ここまで来たら、グループAでスウェーデンに4-0で圧勝したドイツが相手になった次の決勝も是非勝ってもらって、2012年の初タイトルと五輪に向けての大きな自信を持ち帰ってきてもらいたいものである。