「不調でも決めるのがエースの証明」ドイツ・ブンデスリーガ第24節 ボルシア・ドルトムント-マインツ

現在7連勝中のドルトムントと5試合負けなしのマインツという好調同士の対戦。ウズベク戦からとんぼ返りの香川は、当然のようにスタメンで先発。
前半のマインツは4-1-4-1という形で、もうブンデスではお馴染みになった香川にアンカーを付けて封じる作戦に出てきて、香川もやはり調子が万全では無いようで、いつものような幅広い動きが出来ずに中盤であまりゲームメイクをさせてもらえない。
しかしそこを助けていたのがギュンドアンで、シーズン前半はボールの持ち過ぎと持ち場を離れての動き過ぎがドルトムントのサッカーに合わず、すっかりベンチ暮らしが定着してしまっていたのだが、この試合では縦にボールをビシビシ通すとはまでは行かないものの、シンプルにサイドへと展開したりDFラインの裏を浮き球で狙う役割をこなしていた。
26分のゴールも、ギュンドアンのロビングパスを香川が胸でトラップし、一度フェイントを入れた香川のシュートがDFに当たったこぼれ球をクーバが決めたもので、ちょっと浮き球をむやみに使いすぎるきらいはあったものの、今までのギュンドアンから一皮むけた活躍だったと言って良い。
後半からマインツは2トップの形にして攻勢を強めてきたが、逆にドルトムントにとっては攻撃のスペースが出来る展開になり、香川のスルーパスからレヴァンドフスキ、そしてGKのパスミスから香川のシュートと、何度も決定的なチャンスを作るのだがなかなか追加点を奪えない。
すると、74分にマインツ右サイドからの何でもないロングボールがFWへと届いてしまい、落としたボールをジダンが5試合連続となるゴールを決めてドルトムントは同点に追いつかれてしまう。が、その直後にペリシッチの突破からオーバーラップをかけたピシュチェクがクロスを上げると、フリーでいた香川がゴールネットの上へと上手く打ち上げ、エース香川のゴールでまた突き放す。
ここで香川はスタンディングオベーションに包まれてお役御免、後はドルトムントがサブの虫干しをしながらきっちりと後を締め、今節レバークーゼンに負けたバイエルンに対して勝ち点7の差をつける8連勝目を飾った。
まあジダンに5連発目のゴールを決められてしまったのは余計だが、こういう嫌な流れの試合をものに出来るのはドルトムントが本当に強くなった証拠でもある。香川も代表戦では良くなかったが、ドルトムントでは周りのサポートもあって結果につなげられたのは大きい。4月に入ってからバイエルン、シャルケ、ボルシアMGとの3連戦を残しているので安心は出来ないが、連覇が確実に視野へと入って来た事は疑いないだろう。