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「これをプラスの戦略に」ブラジルW杯アジア3次予選 日本-ウズベキスタン

欧州組で動けていたのは岡崎、香川、長友ぐらいで、特にマイクと長谷部、内田のコンディションが最悪でほとんど効果的な働きが出来ず、時差が無いはずの遠藤はさらに酷い出来で香川がボランチの位置まで下がってゲームメイク、でもマイクがいるのにパスやクロスはグラウンダーばかり、動けている選手でもパスが伸びたりトラップが流れたりとどっちがアウェイなんだという精度の低いプレイばかりと、一言で言えばまあこれ以上悪い状態を探すほうが難しい試合をやってしまったなという印象。
失点の場面でも、ウズベキスタンの攻撃参加に対して日本の中盤が全くカバーしていないという真剣勝負では有り得ないボーンヘッドで、その後に見たアルガルベ杯の女子の試合を見ても、明らかにピッチ上の日本選手の人口密度に差があった。選手はモチベーションが高かったと言っているが、やはり五輪予選のシリア戦とマレーシア戦の違いと同様に、既に3次予選を突破しているという状況下では、どうしても危機感と集中力の維持が難しかったのかもしれない。
逆にウズベキスタンのほうは主力が5人抜けたとは言え、それが若手のチーム内競争という面でうまくモチベーションアップにつながっていたのか、韓国での試合を1つこなして非常にコンディションもコンビネーションも良い状態だったようで、下手なブンデス下位のチームよりよほど出足が良くて意思統一されたサッカーを見せていた。
この敗戦で、FIFAランキングで韓国に抜かれてアジア最終予選の第1シードから落ち、最終予選で再び対戦するかもしれないウズベキスタンに対して自信をつけさせ、遠藤が悪いと縦にボールが入れられずにチーム全体のパフォーマンスが下がる欠点をまた露呈と、日本にとっては単なる一敗というわけではなく、W杯に向けての戦略面では大きく後退させられる苦い敗戦になってしまった。
しかし、この負けを次の勝ちに繋げる事こそが本当の戦略である。
アジア最終予選のシードが落ちたとは言え、各グループ2位まで出場出来るので、韓国やオーストラリアが同じグループにいたほうが2強状態が作りやすく、勝ち点計算の狙いをつけやすくなるとも言える。五輪予選を見ても第2グループが非常に地力をつけているので、かえってウズベキスタンとまた同じグループになった方が怖いかもしれない。
そして、日本が最終予選で勝つためには、選手の技術やスピードより何より、コンディションが重要であるという事がハッキリした点。いくら欧州でプレイしている選手が多いと言っても、球際の1対1や高さではウズベキスタンに負けていたわけで、結局はチーム全体の運動量を高めてパスコースを作るサッカーをするしか日本に手は無いわけだ。
この試合の前半で作ったチャンスのように、日本は相手のバイタルまでボールを運びさえすれば、香川や岡崎の得点感覚が生きるのは確かなので、そういう場面を増やすためにはどういう戦術であればいいか、というチーム作りの方向性が明確になったと言える。
と、無理やりポジティブシンキングにまとめてみないと、ちょっと昨日の試合はしんどすぎるよね(苦笑)。

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