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「長友こそがインテルの希望?」イタリア・セリエA第25節 ナポリ-インテル

一向に調子が上向く気配が無いインテルが、ホームの好調ナポリにろくな攻撃が出来ずに無得点で負けたという酷い内容の試合だったのだが、長友がインテルにとってどんな存在になっているのかという事が垣間見えて、それはそれで面白い観戦となった。
ナポリは3-4-3というフォーメーションを取っていて、インテルはスナイデルトップ下の4-3-1-2という形で対峙していたのだが、3センターの左に入ったカンビアッソが中での対応に追われてほとんどサイドに出てこないために、前半の長友はジェマイリとマッジョの2人に蓋をされて全く身動きが取れず、ボールをもらってもアバウトに縦へと蹴り出すのが関の山であった。
それならば、中や逆サイドで攻撃を作れればいいのだが、フォルランは守備の場面でしか登場して来ないしスナイデルは完全に空気、ファラオーニは上がるタイミングが遅すぎて遅攻にしかならない。そして中盤も病み上がりスタンコビッチにお疲れカピターノ、頼りのカンビアッソもとうとう勤続疲労が来て皆守備に回るのが精一杯。
後半からインテルはスナイデルとフォルランを下げて、パッツィーニとコルドバを入れて3-5-2へとフォーメーションを変更したが、これで長友とファオラーニが1対2の状況から解放されて数的同数で対峙できるようになり、長友が運動量でマッジョを凌駕するとファラオーニのサイドが薄くなって攻め上がりを誘発するという良い流れになり始める。
しかし、この試合唯一の決定機と言えた長友のクロスにフリーで飛び込んだパッツィーニが見事に外してしまいジ・エンド。でも、後半の思い切った策でのリカバリーぶりを考えたら、スタメンの前半での酷い出来を考慮に入れなければラニエリの采配は良く頑張ったほうだと思う。
とにかくこの試合でますますハッキリしたのは、今のインテルの苦境は監督のせいと言うよりも、栄光の時代を支えた多くの選手の世代交代時期が来ているからであり、それはカピターノであっても例外ではない事、そして長友には新時代のインテルを引っ張っていくリーダーとしての役割が求められているという事である。
アキレス腱を削られてから長友の調子はやや狂った状態になってしまっていて、この試合もガゼッタの採点は5と、実際の内容からすると低すぎるような点になったが、それは本来のポテンシャルに対しての期待の裏返しであるとも言える。また代表戦からとんぼ返りでの強行軍になるが、なんとか頑張ってもらいたい。

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