「恐るべきバルサのしたたかさ」欧州CLベスト16 レヴァークーゼン-バルセロナ

リーガエスパニョーラでは、バルサへの対策としてスペースを埋めた守備と荒れて深いピッチでパスワークを消し、カウンターから高さに不安があるバルサCBに向けてクロスという対策が常識化しつつあるが、レバークーゼンもほぼその形に倣った対策を施して来た。
ピッチ状態だけは、ドイツ的律儀さが災いしてか(?)真冬の雨とは思えないほどの状態の良さではあったが、ボールポゼッション率28対72という数字が示すように、4-1-4-1のフォーメーションで徹底的にスペースを埋め尽くす守備を遂行した。
特に前半は、スカパーの副音声でゲスト解説していたザッケローニが思わずチャンネルを変える試合と口走るぐらいに、ほとんどホームのレヴァークーゼンに攻める気が無く、これは後半になってレヴァークーゼンに疲れが見えるまではスコアが動かないかなと思った41分に、右CBカドレツが攻撃に絡んだ後に一瞬マークを外して2人同時に走りこまれ、そこにライナルツのキックミスが重なり、抜け目なくボールをつないだメッシからドンピシャのパスが出て、アレクシスにGKの股を抜くゴールで先制してしまう。
後半は一転してレヴァークーゼンが盛り返し、52分に右サイドを深くえぐったチョルルカからのクロスをカドレツが決めると、その3分後にはセスクのスルーパスを受けたアレクシスに決められてしまうが、その後もバルサ相手に高さで有利に立つレヴァークーゼンが少なくとも3度の決定機を作ったものの、これを決められなかった事が運命の分かれ目になってしまった。
それにしても、相手の気持が切れたなと見えたらドリブルで一気に攻め込み、アウベスからリターンをもらってダメ押しの3点目を決めたメッシを見ても、いくら不調にあえいでいるとは言え、バルサに対しては90分の間で一瞬でも気を緩めてしまうと終わるという恐ろしさをまざまざと見せつけられた気がした。
ドルトムントもそうだが、バイエルン以外のドイツ勢があまりCLで奮わないのは、90分の間に全く気を許さず守り抜く集中力を維持するための経験が欠けているところではないかと思う。次はバルサホームという、経験を積むレッスンを受けるには最高の舞台になるのだから、逆転で勝つのはさすがに無理があるとしても、この試合での反省点を生かした内容にしたいところだろう。