「インテルが大敗した理由」イタリア・セリエA第22節 ローマ-インテル

事前に大敗してしまったと分かっている試合を見るのは苦痛なのだけど、今週は他に見るべき試合が無かったのでインテルの試合を仕方なく見てみた(笑)。
するとまあ、インテルが現在抱えている弱点の全てが見事に顕になってしまった内容と結果だったのかなと。
インテルの守備は、SBが高い位置取りをして早めに当たり、CBがあまり横並びにならずにアタックとカバーという役割で動くという、ブラジルスタイルに近い守備をしているのだが、これがローマの攻撃に対して全く噛み合っていなかった。
CBのルシオとサムエルのどちらかはトッティを見ているのだけど、そのトッティが自由にあちこち動き回るために中盤へとつり出され、右ウイングのラメラが2トップのようにセンターへと位置取りをするため、マークしている長友が真ん中に寄せられてしまう。そして中盤のバロンボとオビはDFとの役割分担がはっきりしておらず、CBが上がった裏や長友の横に出来た大きなスペースにローマの選手がどんどん入り込んで防戦一方。
サネッティとマイコンが相変わらずお疲れモードで攻め上がる意思がほとんど無いため、長友がマイボールの時に高い位置取りをしようとするのだが、ローマはそのサイドに対して完全に蓋をして長友の上がりを封じ込め、サムエルは仕方なく前線にロングボールを入れるのだが、パッツィーニにシュート以外の仕事が出来るはずもなく、為す術無く跳ね返されて終わり。
ラニエリは後半からコルドバとポーリを投入するが、両サイドがサネッティとマイコン、オビと長友という全員SB状態かつアルバレスやスナイデルといったテクニシャンがいないインテルがチャンスを作れるはずもなく、全く抵抗する意思もなく惨敗で終了。悪いところ全て出し尽くしましたって感じだね。これが株だったら、悪材料出尽くしでここから上がるんだろうけど(苦笑)。
長友も、前を向いた相手との1対1には強さを見せるのだが、フィジカルが強いラメラに対してのポストプレイを抑えきれず、サイドで数的優位を作られた際のポジショニングに迷いを見せるなど、この試合では守備面での弱点を一気にさらけ出してしまった。そして、前半の数少ないオーバーラップからのクロスも宇宙開発と、4.5の評価も仕方ない低調ぶりだった。
しかし、一人でインテルのゲームメイク能力を支えていたモッタを放出し、今のインテルの中ではまだテクニックがあるコウチーニョをレンタルさせて、全く使えないサラテを残すという謎の補強をし、年寄りの皆さんを酷使していたら案の定こうなりましたって感じだね。
まあ、ベテラン連中はCLも視野に入れてのペース配分をしているのかもしれないけど、ローマで活躍している若手を見ても、正直言ってこのままでは来期のCL出場は相当厳しい状況であるのも確か。さて、ここからどうやって帳尻を合わせてくるのか注目である。