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「安定の長友、本田はラツィオのどこに?」イタリア・セリエA第19節 インテル-ラツィオ

トルシエもそうだったけど、サッカーの監督というものは順調すぎてやる事が無くなると余計な事をしたくなる職業病があるようで(マガトだけは日常だけど(笑))、この日のスタメンは何と長友が右SHで、左SBにキブという試合ではまだ未経験の起用となった。
で、当然ながらそんな付け焼刃が上位のラツィオに通用するはずもなく、右は長友とマイコンが共に上がりたがってコンビネーションが噛み合わず、左はオーバーラップしないキブとコネコネアルバレスで動きが停滞したままで、コッパ・イタリアの影響のせいか全体的に動きが悪く、中盤でミスパスを連発する始末。
案の定、決定的な抜け出しからのシュートがポストに当たって助かったと思った矢先の前半30分に、中盤でのミスからボールを奪われると、DFラインの裏へとダイアゴナルに走るロッキのマークが遅れてしまい、キブは棒立ちでスルーパスに反応できず、ロッキがワンタッチでゴールに流しこんでラツィオが先制する。
インテルは長友とアルバレスの位置を入れ替えた事と、先制点を入れられた事でようやく各選手のエンジンが掛かり始め、35分には中央に入ったアルバレスのワンタッチパスから長友がDFラインの裏へ抜けだしたが、GKに間一髪で防がれて得点にはならず、サイドを攻められても中央をガッチリ固めるラツィオの守備をなかなか崩せない。
が、とうとう前半終了間際に、サイドでボールを持った長友から現在絶好調のミリートにパスが渡り、ワンツーから抜け出したミリートが得意の角度からGKの手を弾く強烈なシュートを叩き込み、インテルが前半唯一の枠内シュートを得点につなげて折り返す。
後半からインテルはスナイデルを投入し、長友は定位置の左SBにシフト。フォーメーションが4-3-1-2になってインテルのソリッドさは減ってしまったが、サイドにスペースがあるおかげで選手の流動性が高まり、スナイデルの糸をひくようなサイドチェンジなどでインテルの攻撃にダイナミズムが出て来る。
そして63分にオフサイドっぽかったがDFラインの裏を綺麗に取ったパッツィーニがGKをロビングで交わす彼らしいゴールでリードを奪うと、レデスマやクローゼ、ロッキを中心としたラツィオの猛攻をしのいでリーグ7連勝を決め、ラツィオを抜いて4位に浮上した。
長友については、右SHだった時間帯と、後半途中から足を削られて痛めていたようで、走ってはいたもののいつもの鋭いダッシュが見られなくなってしまったのを除けば、1対1でも全く恐れない安定したボールさばきを見せ、また一段と自信のレベルがアップしたようなプレイぶりだった。次は、スナイデルのサイドチェンジにチャレンジだね。
あと、本田の移籍交渉をしているという事でラツィオにもちょっと注目していたのだが、正直言ってこの布陣のどこに本田を入れるべきなのか良く分からなかった。ロッキとクローゼでキープ力はそれなりにあるし、パスワークよりもプレッシングで攻めるチームなので、そこにあえて加えるならドリブラーであって、本田のような選手では無いと思うんだけどね・・・
強いて言えば、中盤の強靭さやシュート力が足りないという面があるので、中盤後ろ3枚に入れるなら話は良く分かるのだが、それだと本田が希望するポジションじゃないはずなので、その辺をどう判断して交渉しているのか知りたいところだけどね。とりあえず、監督が獲得を望んでないのならあと半年待ったほうがいいのかも。

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