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「長友、ミラノダービー初先発」イタリア・セリエA第18節 ACミラン-インテル

いや~、しかしあのミラノダービーに日本人選手が先発としてピッチに立つとは、なでしこのW杯優勝、澤選手のバロンドールに続いて、信じられない時代になったもんだなと思うよね(笑)。
さて、互いに好調をキープして迎えたダービーということで盛り上がったこの試合。ミランはネスタとアバーテが復帰した以外はアタランタ戦と同じ4-3-1-2の布陣とメンバーで、インテルはパルマ戦と全く同じ形で臨んだ。
試合は、序盤からインテルが自陣に引いてミランがボールをキープする展開に。インテルの狙いは、イブラヒモビッチに対してはサムエルがガッチリマークしてポストプレイを封じ、さらに周りのスペースを潰して孤立させる守備を徹底してきて、その狙いはある程度機能していた。
ただ、対人には強いけど裏を取られると弱いルシオとサムエルは、どうしてもパトのスピードを警戒するあまりに早くリトリートし過ぎる嫌いがあり、PA付近でパトにボールを拾われて至近距離からシュートを撃たれるなど、単発的なピンチを作られてしまっていた。
前半も20分を過ぎると、徐々にインテル自慢のSBが攻撃参加し始めるようになり、長友がアバーテを抜き去らずに上げたクロスに、ファーでアルバレスがフリーになった場面のようなチャンスも作ったが、SBが上がる分CB横のスペースが空いてしまい、中盤でのつなぎをミスしてそのギャップを突かれる場面も増えてしまう。
非常に緊張感のある流れのまま後半に入ると、その8分に試合は動く。ミランのカウンターをカットしたインテルが逆襲をかけ、右サイドを駆け上がったサネッティからグラウンダーのサイドチェンジが放たれ、それにアバーテが足を伸ばしてカットしようと試みるも届かず、ボールを受けたミリートがここしか無いというコースにミリ単位の精度で流し込み、インテルがワンチャンスを見事にモノにする。
これでミランも少し気落ちしたのか、全体的なプレスのスピードが緩くなってインテルのペースになり始めるが、ミランも存在感が無かったザンブロッタに代えてロビーニョを投入し、再度攻勢を強めて来る。そしてインテルも、動きが落ちてきたアルバレスを下げてキブを入れ、まだ元気な長友をSHに上げてミラン右サイドの封じ込めにかかる。
ミランもインテルの右は攻められないと見たのか、ロビーニョを左に寄せて基点を作り、インテル守備を引きつけて逆サイドのスペースを突く作戦に出て、セードルフのミドルやロビーニョの抜け出しといった大チャンスを作るものの、最後までジュリオ・セーザルの牙城は崩せず、インテルが1点を守りきってミランダービーを制した。
今節にユーベが引き分けてウディネーゼが敗れたため、これでインテルは首位と勝ち点6、CL圏内まで勝ち点3に迫り、ダービーの結果はもちろんスクデット争いの面でも大きな勝利となった。アルバレスだけは若さ故か流れに乗った判断が出来ていなかったが、サムエルとルシオは以前の出来が嘘のような鉄壁ぶりを発揮するなど、今後スナイデルとフォルランをどう組み込んで行くかという課題はあるが、ようやく完全に復調したと言って良いだろう。
長友については、72分の抜け出しは決めて欲しかったが、90分間堂々としたプレイぶりで、もはやインテルの主力であることは誰も疑いようがない存在感を示していた。つーか、先制点の場面の直前に、長友はサムエルをカバーしてゴールライン際まで戻っていたはずなのに、何故かゴールを決めたミリートを祝福していたり、カウンターになりかけた場面で、守備ラインに居てたはずなのにカメラが切り替わった瞬間にFWの直後に迫っていたりと、まだスタミナが余ってるんじゃないかとさえ思ってしまった(笑)。
それにしても、こんな素晴らしくて輝かしい試合なのに、大阪の毎日放送は試合をやらないんだね・・・関西の春は遠いなあ(涙)。

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