「J2とACLは両立するか?」天皇杯準決勝 横浜Fマリノス-京都サンガ

天皇杯準決勝の第2試合は、名古屋を倒して勝ち上がった横浜Fマリノスと、湘南とのJ2対決を制した京都との対戦。
徹底したショートパスでポゼッションを図る京都に対して、横浜は引いて戦うのではないかと予想された試合だが、意外と横浜のほうが前に出てきて均衡した展開が続き、試合が大きく動いたのは前半35分になってからだった。
京都が至近距離から飯倉に阻まれたシュートなど、ゴールポストに連続して3度当てるチャンスをものに出来なかった直後、カウンターからの中村のスルーパスに渡邊が抜け出し、冷静にGKを交わして押されていた横浜が先制点をゲットする。
しかし京都も、後半開始早々の5分に中村のボールロストから始まったカウンターから工藤が強烈なミドルを叩きこんで同点に追いつくと、勢いを増した京都が徐々に横浜陣内でプレイするようになり、72分にはドゥトラがFKを決めて京都がリードする。
そして4分のロスタイムがほとんど過ぎようかという時間になり、これで京都の勝ちは疑いないと思われたのだが、一瞬の隙から中澤がシュートを放ち、そのこぼれ球に対して大黒と中澤が共に反応し、わずかの差でボールを先に触った大黒が起死回生の同点ゴールを決めてしまう。
逆に延長戦に入ると、運動量が落ちた京都に対して横浜が圧倒的に攻め立て、いつFマリノスが得点してもおかしくない展開になったのだが、前半の京都同様にそこでも得点は決められず、延長後半11分にドゥトラに代わって入った久保が、カウンターから冷静にシュートを流しこんで再び京都がリード。さらにその直後にも、ロングボールに追いついた久保から駒井へのパスが通り、ダメ押しの4点目を決めて勝負あり。
これで元日の天皇杯決勝は、史上初のJ2勢同士の対戦となったわけだが、来季はJ1で戦う事が決まっているFC東京は問題ないとしても、京都はもし天皇杯を獲るとACLへの出場権も付いて来てしまうわけで、果たして22チームで戦うJ2の過密日程と折り合いが取れるのかという心配がある。
と言うか、現在の選手層でACLに出るとJ1昇格が極めて厳しくなるのは間違いなく、京都にとっては優勝の喜びと同時に苦渋の決断が待ち受けてしまう事になるだろう。ただ、そんな事は首脳陣が後から悩めばいいだけなので、選手は元日決勝に集中するだけなんだろうけどね。