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「日本ユース世代の強味と弱味」Jユースカップ決勝 名古屋グランパスU-18-セレッソ大阪U-18

スカパーでやっていたフル中継ではなく、民放での1時間ダイジェスト放送だったので細かい部分までは分からないが、一応レポートを。
セレッソは、ドリブルやターンなど個々人の攻撃テクニックは高いものを持っているのだが、レギュラーボランチの2枚が欠場していた影響があったにせよ、せっかく相手からボールを奪ってもすぐに取り返されてしまう、3人で同時にアタックに行ってしまってあっさり抜かれる、ボールサイドに人が偏りすぎて逆サイドが完全フリー、守備の人数が揃っているのにゴチャゴチャしたままボールを見失うといったように、守備のスキルがまるで小学生のサッカーを見ているようだった。
逆に名古屋の方は、マイクの弟である身長195cmのハーフナー・ニッキを中心に自陣できっちりとゾーンを引いてセレッソのエース南野へのパス配給を断ち、ボールを奪ったら素早くサイドを中心に速攻を仕掛け、一旦止まっても逆サイドの上がりを待って展開したり、中盤の攻撃参加を見計らってスルーパスを出したりと、非常に落ち着いた試合運びでセレッソのミスを突き、鮮やかに2点を先制してみせた。
しかし、受けに回ると脆いセレッソも攻撃の調子が出ると様相は一変し、前半終了間際に風間の強烈なシュートで1点差に追いつくと、後半は南野が中盤に下がってボールをさばき、前線へと攻め上がる攻撃で名古屋を圧倒し、何度も決定的な場面を作るのだが、名古屋GK石井がナイスセーブを連発して得点を許さず、結局後半はスコアが動かず名古屋が逃げ切った。
まあ、イーブンボールの競り合いや守備の個人能力が弱いので、受けに回るととことん弱いというのはユース年代の世界大会では見慣れた光景ではあるのだが、名古屋に対するセレッソがまさにそんな感じだったのかなと。そういう意味では、単に引きこもりやマンマークではなく、ゾーンで守りきれる名古屋のようなチームが出て来たのは、日本の育成にとっても良い事なのではないかと思う。
欧州組の現状を見ても運動量や守備、ポジショニングがなってない選手は永遠に出番がもらえないわけで、この試合はちょうど計ったかのように(笑)家長がゲストに呼ばれていたのだが、そういう部分をきちんと教えられる指導者が増えて行って欲しいなと思うのである。

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