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「まるでペルージャの中田」ドイツ・ブンデスリーガ第17節 フライブルク-ドルトムント

秋の王者をバイエルンに明け渡してしまったドルトムントは、今や矢野がいることすら忘れかけているフライブルクとアウェイで対戦し、4-1で勝利を飾って年内の試合を終えた。
しかし点差ほどフライブルクのサッカーがどうしようも無かったわけではなく、ひとたび相手陣内へとボールを送れば、次から次へとゴール前に人が飛び出してくる恐ろしく積極的な攻撃で、試合開始直後の決定的なシュートを始めとして、ドルトムントに対して何度も得点機を作り出していた。
が、問題は相手陣内で基点を作れる機会が少なすぎる事で、セネガル代表のシセは個人能力的には高いんだけど、攻撃の組み立てに参加する能力が低く、後ろからもなかなか効果的な縦パスが出て来ずに、DFラインがガーンと上がった状態でミスから裏を取られて大ピンチという、シーズン序盤に不調だったドルトムントと同じ悩みを抱えている状態だなと思ってしまった。
ドルトムントのほうは、スペース作りをしない代わりに得点力だけはあるレヴァンドフスキを軸にした攻撃が出来上がってしまい、ギュンドアンも最初は視野角ゼロのドリブルシュート野郎に過ぎなかったのだが、辛抱強く使っている内に最近はショートパスなら前線と良いコンビネーションが出来るようになって来たところは、さすがクロップ監督というべきところだろう。
ただ、そのおかげで昨シーズンは完全なエースだったバリオスの出番がほとんど無くなり、昨晩のドイツ・カップでは先発したようだが、本人も移籍を志願してるという噂が立ち、冬のシーズンでの去就が微妙な状態になってしまった。
香川についても、シャヒンとバリオスが抜けたお陰で、スペース作りや動き出しの連動がない前線、スペースへとパスが来ない中盤に苦しみはしたが、今ではあまり無駄な動きをせずにバイタルエリアで細かく動いて前を向き、昨シーズンのようなフィニッシャーではなくて、テクニックとパスセンスで攻撃をリンクする役割をする事でチームに適合してしまった。
しかし良く考えてみると、このプレイスタイルはペルージャ時代の中田そっくりである事に愕然としてしまう。いや、決してそれが悪いわけじゃないんだけど、そういうスタイルに凝り固まってしまうと、守備力や個人打開力を求められるチームに移籍した時には苦労するという事を中田自身が証明してしまっているだけに、つい不安になってしまう。
バリオスが移籍志願を撤回して、レヴァンドフスキとローテーションを組めるぐらいにコンディションとモチベーションを上げてくれるといいんだけど、はてさてどうなるか。

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