「3位を破ってホーム2連勝を飾る」ドイツ・ブンデスリーガ第16節 アウグスブルク-ボルシアMG

現在リーグ3位と絶好調のボルシアMGを迎えてのホーム戦は、アウグスブルクが1-0と見事に競り勝ち、リーグ最下位からの脱出を果たした。
しかし序盤のアウグスブルクは、よくそれで無失点でしのげたなというぐらいに極めて不安定な立ち上がりとなった。
いつものように中盤はダービッツ従兄弟があちこち動きまわり、DFがそれと全く連動せずに傍観しているので、ボルシアMGの前線がバイタルで自由にポストプレイをする事が出来、その広大なスペースを細貝が一生懸命走って何とかカバーするというお馴染みのパターン。
だがボルシアMGのほうも、前節のボルシアダービーでドルトムントと壮絶なつばぜり合いをやったチームとは思えないほど攻撃の詰めが雑で、特にFWのボバディージャがエゴイスティックなシュートを連発してみすみすチャンスを潰し、アウグスブルクを生き返らせてしまう。
ボルシアMGにとってもう一つ誤算だったのは、アウグスブルクの前線がテクニックもスピードも無い代わりに、運動量とフィジカルだけは一流であった事で、アウグスブルクが押し込まれてもアバウトなロングボールにFW陣が何とか食らいつき、ファールを誘ったりしてセカンドボールをイーブンに持ち込んでいた事だ。
それによって、徐々にアウグスブルクの守備が連動性を発揮するようになり、後半6分にブラッカーのFKが壁に当たってコースが変わるラッキーで先制点を奪うと、その後は高い位置からのプレッシングでボルシアMGを圧倒、ペースは完全にアウグスブルクのものになる。
ボルシアMGは77分に大津を左SHの位置に入れて逆襲を図るが、それでも大きく戦況を変えるには至らずそのままアウグスブルクが逃げきり、スタジアムはサポーターの大歓声に包まれた。
リーグ2試合目の出場となった大津だが、いきなりサイドからフリーで切り込めるチャンスを得たのに、結局足を止めて無難に横パスをしてしまったのはちょっと残念だった。まあ、体も張れていたしチームから浮いているような様子も無かったので、またチャンスは巡って来るだろう。
細貝については、安定して守備をこなしつつ前を向いたら気の利いたパスを繰り出し、後半に後ろからの押し上げが可能になると、ちゃっかりダービッツよりも高い位置を取ったりするなど、もうすっかりアウグスブルクのレギュラーとして貫禄が付いて来た印象。ただ、やっぱり低い位置でボールを持った時に、少しでも寄せられると横や後ろに逃げパスをしてしまうのはいただけない。
もっともこの試合でも、細貝は中盤でのもっと密集した状態でも前を向く選択をしたりしているので、単純に予測や状況判断が不足しているというだけで、本人が全く出来ないという訳では無いはず。今やブンデスで最も出場時間の長い日本人になってしまったのだから、この機会に是非マスターして欲しいものである。