「過渡期のインテル」欧州CLグループB インテル-CSKAモスクワ

おとといの深夜はシャルケの試合、昨日の深夜にはインテルとフィオレンティーナの試合があったんだけど、内田は何とベンチ外、長友はゴールしたらしいけど昨日の夜の時点では見られるはずが無いので、先週に長友が先発したCLのCSKAモスクワ戦を見ることに。
リーグでは絶不調ながら、CLでは既に首位通過を決めているインテルにとっては消化試合とあって、若手を投入したメンバーになったが、結果としては負けたものの、ミリートが超至近距離からのどフリーヘディングをバーに当てるお馴染みのプレイを見せるなど2点をフイにしてくれたおかげであって(笑)、内容的には意外と悪くなかったように思う。
インテル不調の原因は、今までだと個人の力で局面を打開して勝って来たチームなのに、絶対的なエースであるエトォが移籍したのを筆頭に、主力メンバーがことごとく怪我で満足に出場できず、それ以外の選手も高齢化が進んで運動量が落ち、全体的なダイナミズムが落ちているところにある。
それを打開するには、さらなるスター選手を手に入れるか、思い切って若返りを図るしか無いのだが、余裕でファイナンシャル・フェアプレー規則に引っかかるインテルは、もはや以前のように選手をオイルマネーで買い漁れる状態には無い。
となると、若返って組織力と運動量をベースにしたサッカーへと転身するしか無いのだが、監督だけを組織を売りにするガスペリーニに変えたら大失敗してしまったというのが現状である。
この試合では、両ウイングにはオビとファラオニが入ったのだが、彼らは個人技という面ではそれほどの物は持ってないが、インテルの選手にしては珍しく周りを見るプレイスタイルで守備も怠らず、特に前半は長友とファラオニが良いコンビネーションを見せて長友が決定的なシュートを放つなど、久々に躍動感のあるプレイを見せていたのは良かった。
が、CSKAモスクワのラヴ、ドゥンビア、ジャゴエフといった攻撃陣に比べると、ミリート、コウチーニョ、オビ、ファオラニといった面子は寂しすぎるものがあるのは事実で、後半から入ったサラテがドリブル突破で個人能力を見せつけてはいたが、総体的な攻撃力という点ではCSKAのほうが完全に上回っていた。
長友を含め、テクニックは劣るけど頑張る若手と、動けないベテランスターという両極端な選手層を抱えて、ラニエリ監督が今後どう舵取りをして行くのかは分からないが、そう簡単に昔の強さを取り戻すようになれるとは到底思えないのが正直なところである。