「こちらもまたもったいない試合」ドイツ・ブンデスリーガ第15節 シュツットガルト-ケルン

もう日本人が所属するチーム同士の対戦が無い週を探すのが難しくなるぐらいになってしまったブンデスリーガ。今回は岡崎のシュツットガルトと槙野のケルンだが、槙野は残念ながらベンチスタート。
シュツットガルトは、いきなり前半15分にどこがPKなんだと言うぐらいに微妙過ぎる判定で先制点を奪われてしまったが、その後はほぼ自分たちのペース。
特に、ケルンの守備がボールサイドに寄る点を突いて、大きなサイドチェンジでサイドの高い位置で基点を作る攻撃が機能し、それでもゴール前での工夫が無くてなかなか得点出来なかったが、29分にボランチで久々の先発復帰となったゲントナーがCKからヘッドを決めると、7分後にも2点目を決めて一気にシュツットガルトが逆転する。
これで完全にシュツットガルトの一方的なペースとなり、ケルンの守備はベタ引きになって何人ものシュツットガルト選手がPAへと侵入するが、カカウの決定的なヘッドがGKの手に当たるなど結局3点目は奪えず。これが結果的に命取りとなってしまった。
後半になると、もともとあまりコンパクトで無かった両チームの布陣がさらにスカスカとなり、岡崎ら前線の選手とケルンのDFが横に並んだ状態でサイドからフリーで攻めるシーンが何度も訪れるが、やはりどうにも最後の詰めが単調で、結局は単なるクロスかミドルで終わるだけで、ケルンの守備を崩しきるまでには至らない。
と思っていたら、最後の後半43分にシュツットガルトが不用意に相手のポストに対して前に出た裏のスペースをポドルスキーに突かれて痛恨の同点ゴール。シュツットガルトにとっては何とも悔いが残るもったいないドローを喫してしまった。
この試合では、たまたまゲントナーが当たって2ゴールを決めたものの、チャンスになりそうな場面の回数に比べると、圧倒的に決定機が少ないのは非常に残念である。
その原因は、シュツットガルトの攻撃にポジションチェンジがほとんど無い事で、中盤から後ろの選手はパスを出したらほとんどの選手が足を止めてしまっている。従って、前線との距離が縮まらないままでのプレイなので、岡崎は味方がボールを持ったらしつこく動き出してはいるのだが、いかんせんそのタイミングと距離でパスを出せる選手がチームにいない。そして中盤からの追い越しが無いので、ケルンのDFはシュツットガルトのFWをマークするだけでよく、皆で仲良くラインに並んでオフサイドやヘディングごっこをやるだけになってしまう。
後半は、ゲントナーが前線に飛び出して良い流れを作った時間帯はあったものの、結局は数回の単発だけに終わってしまった。解説の城福さんが指摘していたように、岡崎もあまり早く動きすぎずに流れを読んで飛び出しを仕掛けられたらいいのだが、他の選手にもその辺を工夫しようという考えが無ければ意味が無いからね・・・その点でもゲントナーの復帰がきっかけになればいいのだが。