「全く違う前半と後半」ナビスコカップ準々決勝 鹿島アントラーズ-横浜Fマリノス

リーグではともに得点力不足に悩まされている同士の対戦となったナビスコカップ準決勝は、鹿島が延長の末に逆転勝ちで4強へと駒を進めた。
しかし鹿島の前半は相当苦しいものだった。試合わずか1分で中田浩二がロングボールを後頭部に当ててしまっていきなりのオウンゴールを献上すると、今度は渡邉千真のターンに足をかけてしまってPKと、あっという間に2点のビハインド。
横浜得意の2ラインゾーンディフェンスの前に、鹿島のパスがことごとく引っ掛かり、横浜のロングボールからセカンドボールを拾う攻撃に対しても対応が後手にまわり、攻撃のスピードが遅くなって横浜の守備を崩す気配が生まれない。
ところが後半になると、横浜はなぜかCBが最初からFWをマンマークで見ている事が多くなり、それにつられてSBが中へと絞るため、ウイングがサイドのスペースを埋めざるを得ずに6バックのような形になって、鹿島は自由に上がってくるSBを使って完全にボールを横浜陣内に押しこめてしまう。
そして4分にサイドからのクロスを受けた興梠の反転シュートが決まると、73分には1対1のマークから抜けた大迫のミドルが決まって試合は延長へ。
延長になると中盤が空いて互いにゴール前のシーンが多くなるが決めきるまでには至らず、PK戦も見え始めた後半6分に、セカンドボールを拾ってからのクロスを田代が決めて鹿島がとうとう逆転に成功。試合はそのまま終了した。
鹿島の後半での立ち直りが良かったのは確かだが、横浜がそこから明確にベタ引きの守備になって前半のようなプレスをかけられずみすみすの失点を喫し、後半早めの時間からキム・クナンを入れたにも関わらずパワープレイも中途半端と、せっかく先に2点をもらっていながらいまいち試合の狙いというものがはっきりしてなかったのが敗因のように見えた。
鹿島の次は名古屋が相手になったが、名古屋が中盤に弱みを持っているだけに、この試合では調子が良かった小笠原の出来が、次もポイントになる事は間違いなさそうだ。