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「何とも不思議なフォーメーション」ドイツ・ブンデスリーガ第8節 カイザースラウテルン-シュツットガルト

開幕からほぼ五分の星と、どうも調子が安定しないシュツットガルトだったが、今度は下位のカイザースラウテルンに対してアウェイで2-0という不思議な快勝を飾った。
そのシュツットガルトは、この試合ではボグレブニャクとカカウの2トップに、岡崎とハルニクが左右のSHに入った、いわば4-2-4とも呼べるフォーメーションで、しかも岡崎とハルニクはSBとのコンビでサイドを崩してクロスという、本来SHに求められるようなプレイはほとんどせず、SBがボールを持ったら中へ中へと突っ込んで行く動きに終始していた。
普通、前線の4人が中へ集結するとドルトムントのように前が渋滞して後ろがスカスカになってしまうものなのだが、シュツットガルトの場合はFWの2人がそれほどスペースメイクに動かないので、全体的にやや低い位置に固まって自然にコンパクトになるという意外な効果が発生し、岡崎も今まで以上にボールを持ったら強引にゴリゴリ突破しようとしていたが、そこからボールを奪われてもそれほどカウンターの危険性は感じられなかった。
そして、カイザースラウテルンに中央へと守備の意識を集中させた所で、ブラルースのオーバーラップにハイナルのスルーパスが通り、クロスがDFの足元を抜けた所でカカウが押し込んで先制。さらにまたもブラルースの攻撃参加から、シュートがDFに当たってゴールと、おそらく元からそういう流れを監督が意図していたプランとは思えないが(笑)、策が見事に当たった試合となった。
岡崎については、上にも書いたとおりサイドのスペースを使わずにひたすら中央へと動いての個人突破が多く、もっとSBとのコンビで崩すような働きが必要だったのではないかという気もするが、それでもイーブン以上に渡り合うことが出来ていてあと一歩で大チャンスになるという場面もあり、十分に相手の守備を引きつける危険な存在になっていたとも言える。
前節もシュートの跳ね返りを決められなかったし、この試合でもPA内からのシュートバウンドのこぼれ球を吹かしてしまったが、守備でしっかりとチームのために働けるところが評価されているのだろう。香川の調子がどん底でドルトムントでもスタメンを外れてしまっただけに、代表戦でも彼にかかる期待は大きい。

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