「次から次へと出て来る若手」ACL準々決勝第1レグ セレッソ大阪-全北現代

現在Kリーグでトップを独走している強敵と対戦したセレッソだったが、4対3と派手な打ち合いを制してまずは1点リードのまま第1レグを折り返した。
試合は、序盤からアウェイでも積極的に前から攻めて来る全北に押し込まれる苦しい展開。特に2列目のルイス、エニーニョのブラジル人コンビのキープ力に悩まされ、いきなり開始5分にポストプレイに走りこんだイ・ドングのマークを外してしまって失点。
しかしそこからはセレッソも徐々にボールがつなげるようになり、全北のプレッシャーをかいくぐってはカウンターのチャンスを作り出せるようになる。そして29分に右サイドのキム・ボギョンの突破に播戸が飛び込んで同点に追いつく。
これでやっとセレッソにエンジンがかかり、随所にドリブルを交えつつショートパスをつなぐ攻撃で全北ゴールを脅かすがなかなか得点にはつながらず、逆に前半終了間際にGKのロングフィードに扇原が競り負け、折り返されたボールをイ・ドングが決めてもったいない失点。
後半も清武が酒本のCKから頭で決めて同点にしたと思ったら、すぐ後に今度もCKに扇原が競り負けて再びリードされるという厳しい流れ。
しかし前節に広島から5点を取ったセレッソの攻撃は本物で、19分にFKを壁の選手が手で止めたことでPKをもらい、これをキム・ボギョンが決めると、CKからグラウンダーで流したボールにフリーで飛び込んだ清武がゴールに流しこみ、何とも派手な銃撃戦に蹴りをつけた。
まあ、アウェイで3点取られたことは正直言って褒められた話ではないが、セレッソに堅い試合をしろと言っても無理な話であり、とりあえずリードして前半戦を終わったと思っておけばいいのではないか。
2失点にからんだ扇原も、ジダンばりの両足キープを見せるなど中盤でのボールキープ力やプレイの落ち着きは眼を見張るものがあり、ボギョンの推進力と合わせて攻撃面ではマルチネス不在の影響は感じさせない働きが出来ているようで、相変わらずクルピ監督の育成力は凄いものがある。
逆にやや心配なのが、精彩を欠いたプレイで左サイドをさんざん破られてしまっていた丸橋と、2得点を挙げた「ヒーロー」清武である。
清武は確かに結果は申し分ないが、この試合ではやたらと難しいスルーパスを狙ってはカットされる場面が多く、先日のウズベキスタン戦の終盤でもそうだったのだが、簡単に展開すればいいところで大チャンスを狙い過ぎてしまう嫌いがあり、チームのリズムを崩しかねないプレイが多かった。
もはやセレッソの押しも押されぬエースとなり、代表でも球際の強さで本田がいない場合の1番手としての地位を確立しつつある立場なのだから、試合の流れを読んだ大人のプレイも出来るようになってもらいたいところである。