「アジアへようこそ」ブラジルW杯アジア3次予選 日本-北朝鮮

ジーコジャパンや岡田ジャパンのように、何度も危険なカウンターを食らってヒヤヒヤするような場面はほとんど無かった。が、終わってみればいつも通りにロスタイムで何とか勝ち点をもぎ取る危ない結果に終わってしまった。
香川や岡崎、内田といった欧州組の出来が悪かったのは確かだが、いつも日本がタイあたりの相手に苦戦するように、対アジアの試合では、日本人がブンデスリーガなどの欧州リーグを相手にして得られるアドバンテージである、一瞬のアジリティがアジア相手には通用しないという面が大きいのではないかと思っている。
欧州では、1対1では誰も彼も非常に強さを見せて、そこを突破するには日本人の俊敏さを活かすしか方法がないのだが、ことアジアでの戦いになると、相手は1対1でそんなに強さは無いけども、1人交わしても誰かが飛び込んでくるし、余裕を持ってサイドから中盤に戻したら相手が戻ってきてパスカットされるなど、ハエのようにワラワラとまとわりつかれて自分のプレイをするための溜めを作る時間を与えてもらえなかった。
その意味では、改めてアジア相手にでもきっちりとボールをキープして時間を作れる本田が不在だった影響が大きかったと思っているが、個人的には事前の展望で挙げた、本来柏木に期待されるべきプレイが出来なかった事にも原因があったのではないかと思う。
この試合の後半に、長谷部がドリブルで切れ込んでチャンスを作る場面が多かったが、北朝鮮の守備はあらかじめ前線に位置している選手に対してのマークは厳しくても、後半の長谷部や内田のように後方からの攻撃参加に対してのマーキングは緩かったので、柏木がトップ下ではなくてボランチの位置で守備をしてから前に出るようなプレイが出来ていれば、もう少し彼に対する評価も変わったかもしれない。
とまあ、何を書いても結果論だよね(笑)。いや、本当に今日は勝てて良かった。ハーフナー・マイクが東アジアの国相手なら競り勝てる事も分かったし、勝ったからこそ言えるけど収穫は少なくない試合だったように思う。やはりアジア相手に効くのは横の揺さぶり。忠実にルーズボールを拾ってサイドを中心にパスコースを作る動きを見せていれば、いつかは相手にほころびが出来る。
次はウズベキスタン相手のアウェイゲームで、また厳しい試合が待ち構えているとは思うが、この試合で得られた経験をしっかり生かして欲しいところである。