「セレッソは若手に光明か」J1第9節 鹿島アントラーズ-セレッソ大阪(2-1)

前半戦は低迷を極めていたのに、いつの間にか怪我人がどんどん戻って来て調子を取り戻し、9位にまで浮上してきた鹿島と、乾とピンパォンという主力が抜けた上に、昨季少なかった失点も増えて調子が上がらないセレッソとの対戦。
試合が始まってすぐに分かったのがセレッソの調子の悪さで、特に茂庭と上本のCBが作るラインコントロールの動きが鈍く、前線との距離が空いてしまうために小松が完全に孤立してほとんど前でボールが収まらない。注目の清武も疲れがあるのか動きにムラがあり、試合から消えがちな状態。
ボランチにはU-22にも出場を果たした若手の扇原が先発したが、広い中盤のスペースに苦労してなかなか良い形でボールに触ることが出来ず、たまに良いサイドチェンジを見せたりはするのだが、期待されたような前線とのつなぎが出来ていなかった。
逆に鹿島は大迫がキレキレで、セレッソの遅い攻撃をコンパクトなゾーンで易々と受け止めると、大迫が幅広く動いて前線で基点を作ってチャンスを作ったがなかなか決められず、逆に鹿島もジリジリして来たところで、セレッソの茂庭が緩慢な対応で大迫に裏を取られてしまい、後ろからのファールで一発退場になってしまう。
これで鹿島は有利になって後半はさらにセレッソを圧倒するかと思われたのだが、逆に後半開始早々、セレッソがカウンターから小松、ボギョンとつないで先制点を奪ってしまう。
その鹿島にとって苦しい展開を救ったのが大迫だった。ボギョンのゴールからわずか3分後に、PAの外側でボールを受けると迷わずミドルシュートを放ち、これがゴール左隅に突き刺さって鹿島が同点に追いつく。
セレッソは1人少なくなったことで逆に闘志が出たのか、そこからは前半消え気味だった清武が存在感を発揮し始め、ボランチからCBの位置に下がった扇原も落ち着いた対応を見せ、セレッソがカウンターを中心にチャンスを作リ始める。と、ようやく調子が出てきたところでセレッソにとっては痛恨のミスが起こってしまう。
74分に、ピッチ中央でボギョンが横パスをミスし、上本が中途半端に飛び出してあっさりと交わされてしまい、CBが1人になったところを大迫から増田につながれて鹿島が逆転。セレッソは杉本、山口と若手を投入して攻撃のテコ入れを図るが、最後までゴールネットは揺らせず鹿島が逃げ切った。
鹿島はまだ全体的に好調さが出てきたとは言えないが、大迫とフェリペが牽引して周りが徐々に付いて来ている感じ。いつもは調子がタレる夏場に今年は勝っているので、これから上位陣にとっては怖い存在になってくる可能性は高そうだ。
セレッソは負けてしまったが、扇原がCBでまずまず安定したプレイを見せ、杉本もガタイがある割に俊敏なところを見せて、戦力的にある程度計算出来る事が分かったのは収穫だろう。清武が移籍しない限りは、なんとか今期は残留出来そうではある。