「今年もドルトムントは止められない」ドイツ・ブンデスリーガ第1節 ボルシア・ドルトムント-ハンブルガーSV(3-1)

金曜の夜にいち早く行われた、ブンデスリーガの開幕を告げるカードは、前期王者のドルトムントが3-1で快勝を飾った。
シャヒンがレアルに移籍して中盤でゲームメイク出来なくなった影響をどう解消してくるのかを注目していたが、その答えは徹底したCBからのビルドアップにあったようで、フンメルスとサンターナから数えきれない数の縦パスが出されていた。
とは言え、レヴァンドフスキは縦に動くだけの単調な動きだし、香川も今季は警戒されてトップ下のポジションでは常にマークを受け続けているので、序盤はなかなか前線までボールが届かずにHSVのペースと言える展開だった。
その流れを変えたのが香川のプレイで、13分に縦パスからボールを受けて右足を一閃、シュートは惜しくも右に外れてしまったが、これでギクシャクしていたドルトムントの前線の動きが一気に活性化し、17分にカウンターからゲッツェがつないで最後はグロスクロイツが左から決めてドルトムントが先制する。
その後もドルトムントがほぼ試合を掌握し、29分には香川のパスからレヴァンドフスキとのワンツーでゲッツェが抜けだして落ち着いてゴール、後半3分にも香川がからんでの攻撃から最後はグロスクロイツが自ら放ったシュートの跳ね返りを押し込んで3点目。
これでドルトムントもさすがに緊張感が緩んだのか、後半の残り30分はHSVにボールを支配され、後半34分にはセットプレイから一度はゴールの枠に入っていた香川が跳ね返すものの、集中力を欠いて再び押し込まれて1点を返されたが、HSVの反撃もそこまでだった。
ドルトムントは、特に前線の香川とゲッツェにボールが入ってからスイッチが入る攻撃力は凄まじいものがあり、彼らの反転力やドリブルに、グロスクロイツの運動量とレヴァンドフスキのアイデアが絡んだコンビネーションはどんなチームであっても苦しむこと請け合いだろう。チームにはまだ怪我人は多いが、新加入のサンターナやレーヴェもきっちりとチームにフィットできており、今年もクロップ監督の操縦術に陰りは感じられない。
ただ、これからCLなどで結果を出していくことを考えると、まだまだそういう場面を作り出す機会がバルサなどに比べると少ないのが課題だろう。DFからのビルドアップに対しては、香川が下がって来て受けてからパスを出したりで前線の流動性を促していたが、やはりもっと中盤からも縦にどんどん入るようにならないと前線が生きてこないからね。
香川自身は、動きはまあまあ切れていたけど決定力が無かったね。24分にビスチェクからのクロスを絶妙なトラップで受けてポストに当たるシュートを放ったけど、クロスは香川を狙ったわけじゃなくてあくまで偶発的なチャンスだったので、ああいう最前線にポジションと取っている状況でもっと中盤からボールを貰えるようになれば、得点を量産出来るようになると思うのだが・・・まあ、香川もチームもまだまだこれからに期待だ。