「ドルトムント、そして香川に漂う不安」ドイツスーパーカップ ボルシア・ドルトムント-シャルケ04(0-0PK3-4)

ブンデスリーガのシーズン幕開けを告げる、リーグ戦王者とカップ戦王者の対戦。
ドルトムントとシャルケのルール・ダービーとなったこの試合、シャルケの内田はベンチスタートとなってしまったために、注目は自然と香川の出来はどうかという部分になってしまった。
で、結論から言うと、まだ試合勘が出来てないのかしっかりボールが足についていない感じで、ここぞという部分でのシュートやパスに精度がなかったが、動きの切れや攻撃のアイデアという部分では昨シーズン並かそれ以上のものを感じさせ、香川個人としての出来にはそれほど問題が無いように思う。
ただ、ドルトムントの中盤に君臨していたシャヒンの穴はやはり大きく、トップ下でがっちりとマティプのマークを受けていた香川が動き直しで一瞬フリーになっても、シャヒンなら出てきたはずのパスが全く出てこず、まるで入団当時のようにパスをもらえなくなってしまっていた。
シャヒンの後釜としてニュルンベルクから獲得したギュンドガンが先発していたが、この試合を見る限りではあちこち動きまわっては的確にボールをつなぎ、フィニッシュにからむといった長谷部タイプの選手で、シャヒンのように縦パスをビシリと入れたり、サイドチェンジで大きくボールを動かすようなゲームメイカータイプではないように見えた。
まあ、その辺はまだ互いに呼吸が出来てないという面は大きいのだろうが、この試合でもPA付近でボールを持つと一番怖いのは香川だという空気を醸し出しているドルトムントにあっては、今後も香川に厳しいマークがつく可能性は高く、そこを打開できるパスワークが構築されないとかなり厳しい事になってしまうかもしれない。
シャルケのほうでは、内田に代わって先発したヘーガーだったが、運動量豊富に攻守に渡ってプレイに絡み続け、SBの層が薄いシャルケとしては良い補強になったのではないかと思う。内田のビルドアップ能力がシャルケに果たしている貢献度を考えると、いきなり主力交代という事にはならないとは思うが、ライバルが増えることは切磋琢磨のチャンスでもあるので、さらなるプレイ向上を目指して欲しいところである。