ツール・ド・フランス2011 第19ステージ

シュレック兄弟とエヴァンスとの最終対決になるはずだったラルプデュエズ頂上ゴールステージでしたが、昨日大ブレーキになって優勝争いから脱落したコンタドールが、ラルプデュエズの1つ前のテレグラフ峠でスパートした事により、大きく展開が変わってしまいました。
テレグラフ峠の登りでは、エヴァンスが途中でメカトラブルで遅れてしまったために、コンタドールはシュレック兄弟のアシストのような働きになったかと思ったのですが、ガリビエ峠からの下りでエヴァンスが追いつき、ラルプデュエズへの登りでコンタドールがアタックすると、総合で上位にいるアンディがエヴァンスに対してローテーションを促しても、順位で下のエヴァンスはそれを拒否する形になるなど、コンタドールの動きによって周りの選手が逐一立場が変化して行くといった、まさに自転車レースの醍醐味というべき心理戦、戦略が垣間見えて非常に楽しいステージになりましたね。
そして、ちょうどヴォクレールが総合首位から陥落した後に、ラルプデュエズ頂上ゴールを制したのがフランス人のローラン。新人賞ジャージ争いでも首位に立つ彼が、ツール王者としての象徴でもあるラルプデュエズを制したことは、長らくフランスに出てこなかったツール総合優勝争いが出来る人材になったと言う事でもあり、今後どこがエースとして彼を獲得するのかが注目される事になるでしょう。
総合闘いについては、結局アンディとエヴァンスの間に差がつかなかったので、20ステージのタイムトライアルは、アンディとエヴァンスの差は57秒という形で最終決戦が行われることになりました。普段の実力から言えば、1分以内の差はエヴァンスにとって物の数ではありませんが、アンディがマイヨジョーヌマジックで粘る可能性は十分にあり、秒単位で決着がつく可能性もあるスリリングな展開になるのは確かでしょう。とにかく、今日のステージが楽しみですよね。