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「優勝おめでとう、なでしこジャパン!!」ドイツ女子W杯 決勝 日本-アメリカ(2-2PK3-1)

いや~、全世代を通じて今までなかなか届かなかった世界一の座を、まさかこの目で見られるとは思わなかった。
オバマ大統領がCongratulationsとツイートをくれたり、世界中が日本の優勝を祝福してくれているなんて、まだ実感が沸かないよね。澤がカップを掲げたとき、ちょっと画面が霞んで見えちゃったよ(笑)。
しかし試合の方は本当に苦しかった。
アメリカは、DFラインが非常に高くて4-4のコンパクトなゾーンを崩さず、ボールを奪ったらすぐさまサイドが高い位置に飛び出して素早くボールを前に運ぶ狙いが徹底されており、序盤から日本はアメリカのゾーンに引っかかってのパスミスから何度も決定的なシュートを放たれるが、シュートはクロスバーに当たったりで相手も決定力が無くて何とか無失点で凌いで行く。
日本は得意の前からのディフェンスで時折高い位置でボールを奪えるのだが、安藤と川澄が裏を狙う動きばかりで相手に攻撃を読まれ、仕方なく澤がほとんどトップ下のような位置にまで上がって攻撃をサポートしようとするが、そこでミスが出ると1ボランチの坂口の両サイドにあるスペースに入ってくる選手を抑えられず、どうしてもサイドから崩されてしまう。
前半の30分過ぎから、ようやくアメリカのプレスが緩んでバイタルでボールをつなげるようにはなったが、得点の匂いがあまりしないままに前半を終了する。
後半になると、アメリカのDFラインはますます高くなり、初っ端からサイドを崩されてシュートがポストに当たるピンチで始まる厳しい展開。66分に日本は丸山と永里を投入し、アメリカにフィジカルで対抗出来る永里が入った事で前線に基点を作れるようになったが、これが少し裏目に出てしまう。
69分に、日本が中央から突破して全員が攻め上がった所で引っかかり、ロングボールに反応したモーガンにDFが振り切られ、とうとうアメリカにゴールを許してしまう。が、そんな事で下を向いてしまう日本の選手達ではなかった。
80分、右サイドで相手のパスミスをカットすると、クロスに飛び込んだ丸山が相手と交錯、アメリカDFが慌ててクリアしようとしたところ、そこに飛び込んだ宮間にカットされ、宮間は難なくアメリカのゴールに決めて日本がワンチャンスをものにしてしまう。アメリカは徐々に守備の戻りが遅くなって、日本がパスをつないでサイドにボールを展開する攻撃が出来るようになったが、その流れがうまく得点に繋がってくれた。
延長前半14分に、そこまで何とか押さえてきたアメリカのエースワンバックをフリーにさせてしまい、左からのクロスにドンピシャで決められてこれでさすがに決まってしまったかと思われた。しかし日本はよほどサッカーの神様に気に入られてしまったのか、延長後半12分のCKから、ニアに飛び込んだ澤が右足のアウトで触り、大会単独得点王を決める起死回生の同点ゴールを決めてしまう。
延長後半ロスタイムには、相手の決定的な抜け出しに対してPAのすぐ外で岩清水がタックル、これが得点機阻止とみなされ一発レッド、至近距離からのFKになったがこれも得点にはつながらず、勝負はとうとうPK戦へ。
ここでアメリカに立ちふさがったのがGK海堀。ソロを擁するアメリカのほうがPK戦では有利かと思われたのだが、1本目と4本目を完璧な読みでセーブし、2本目のロイドは上に外してしまったので何とアメリカが4本中3本のミス。日本は永里こそPKを外してしまったが、坂口のシュートはソロの手をかすめるラッキーもあり、最後は熊谷がさっくり決めて日本が奇跡の優勝を飾った。
確かに相当神様の手助けはあったにせよ、澤を中心とした日本のあきらめないメンタル、最後まで走る姿勢が運を呼び込んだことは疑いない。被災地と関連付けることはあまり好きではないが、この試合を見ていたであろう多くの人が、日本人の粘り強さ、団結力といった日本人の美点を再確認するであろう、素晴らしいファイトだった。
とにかく優勝おめとう、ありがとう、なでしこジャパン!

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