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「あと1つで世界の頂点へ!」ドイツ女子W杯 準決勝 日本-スウェーデン(3-1)

急遽、関西テレビでも人気レギュラーの枠を減らしての生放送が決まるという、日本中が注目する女子史上初の世界大会決勝進出がかかった大一番、日本のスタメンは準々決勝と変わらず・・・と思いきや、FWの一角が永里でも丸山でもない、川澄が入るという佐々木監督の大胆采配。
スウェーデンは形の上では4-4-2だが、後ろの4人ががっちりとゾーンを形成した上で、澤に対して完全にマークを張り付かせた実質4-5-1で日本のパスワークを封じにかかり、ボールを持たされた格好になった日本は仕方なく縦にクサビを入れて組み立てようとするが、安藤と川澄ではなかなかボールが収まらない。
すると10分に、大黒柱の澤が中盤でまさかの横パスミスを犯し、最後に抜けだしたウクヴィストに綺麗なゴールを決められるという、イングランド戦を思い起こさせるような非常にまずい展開。
しかし、その嫌な流れを断ち切ったのがベテランの力で、日本は18分にバイタルでボールを受けた大野がドリブルでスウェーデンディフェンスを引き付け、サイドに展開されたパスを宮間がピンポイントのクロスを入れ、最後はスタメン起用された川澄が相手と交錯しながら当てたボールがGKの脇をかすめて起死回生の同点ゴール!
その後は、中2日のせいもあってか動きの鈍いスウェーデン相手に、日本は攻守の切り替えの速さで圧倒し、相手がボールを持つと澤を中心に全員が献身的に戻って素早く囲い込み、ほとんどスウェーデンに効果的な攻めを許さずに前半を終了する。
後半になるとようやくスウェーデンも前に出始めるが、日本が前からプレスをかけると苦し紛れにサイドへクリアしたり、雑に前に蹴り出すだけの攻撃で相変わらず怖さを感じさせない。が、日本も大野のシュートがGK正面を突いたり、最後のところで相手の高さにパスが引っかかったりでなかなか2点目が入れられない。
そんなジリジリした流れが続いていた日本だったが、19分に右サイドのスローインから放ったシュートが鮫島の前にこぼれ、そこからのクロスを安藤と相手GKが交錯してボールが弾かれると、大エースの澤が素晴らしい反応と嗅覚で確実に押しこみ、自らのミスを帳消しにする逆転ゴールを決めてしまう。
さらに5分後には、前に出てきたスウェーデンに対してライン裏へと飛び出した安藤に宮間がロングパス。これを防ごうとGKがエリア外に飛び出して一旦止めはしたが、こぼれ球を川澄がダイレクトでロブを放ち、ボールは美しい軌道を描いてスウェーデンゴールへスッポリ。ほぼ勝負が決まった3点目となった。
日本は残り時間を高瀬、上尾野辺といった出場機会の少なかった選手を入れる余裕の采配で、若干危ないミスは作ったが熊谷を中心とした守備陣は最後まで集中力を切らさず、ロスタイムもきっちりコーナーで時間稼ぎをしながら決勝進出を決めた。
スウェーデンは確かに本来の調子では無かったのかもしれないが、やはりドイツに比べるとプレイの確実さや力強さという面では明らかに劣っており、世界トップクラスのドイツを打ち破った日本にとっては物の数ではなかった。
日本は、先制点こそ奪われたものの、プレスで囲めばパスをミスしても取り返せるという自信が各選手にみなぎっており、パスサッカーを狙っていたはずのスウェーデンに対してパスで圧倒する横綱相撲を取り切り、イングランド戦とは別チームのような変貌ぶりだったと言える。いや、それにしても試合後にスウェーデン選手たちが「こんなはずでは無かった」とばかりに呆然と立ちすくんでいたのは痛快だったね(笑)。
決勝の相手はフランスを3-1で破ったアメリカ。相手にとって不足は無いと言うか無さ過ぎだけど、今の日本なら必ず良い試合が出来るはず。とにかくここまで来たら、是非とも澤姐さんがワールドカップを掲げる姿が見てみたいね!

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