「やっぱりバルサではありませんでした」U-17ワールドカップ グループB 日本-アルゼンチン(3-1)

勝ちに不思議の勝ち有りと言うが、内容的には全くもって褒められた部分の無い試合だったんだけど、結果的には3-1で楽勝してしまったのだから、サッカーとは分からないものである。
既に勝ち点4をゲットして決勝トーナメント進出が確実視される日本は、フランス戦から何人かスタメンを入れ替えて来たが、直前に降った豪雨の影響もあるのか、高い位置からプレッシャーをかけて来るアルゼンチンに対して3本とパスがつながらず、早くも似非バルサの仮面が剥ぎ取られてしまった立ち上がり。
しかし先制点を奪ったのは日本で、珍しくポンポンとパスがつながった後に右SBの川口がオーバーラップし、アルゼンチンの選手を振り切ってシュートを放つと、それをGKがファンブルして高木の前へ。日本は劣勢からワンチャンスをものにする。
その後も日本はパスをつなごうとするのだが、コーチングがされてないのか前から戻るアルゼンチンのカバーに対し、あっさりと中で奪われる場面が目立ち、1対1でのせめぎ合いでも劣勢で、アルゼンチンの攻撃が雑でしょぼいから失点していなかっただけで、あれをA代表のアルゼンチン相手にやってたら確実に5点は入れられていたところだろう。
と試合を見ながら憮然としていたら、CKから植田のヘディングがうまくコースに飛んで日本があっさり2点目(笑)。しかし点が入るときってのはこんなもんなんだね。
そこからは日本もさすがにパスをつなぐよりは長いボールで陣地を稼ぐことを主眼としたサッカーになるが、たまに良いサイドチェンジはあったりするものの、正確さに欠けてなかなか1トップの南野までボールが届かない。つーか、GK牲川のフィードは何とかならんのか。
後半になるとさらにアルゼンチンの攻勢が強まり、右サイドからの執拗なオーバーラップに日本は何の手立ても打てずサイドから崩されまくったのだが、若手にタレントがいないというアルゼンチンの悩みは本当だったんだなというぐらいに、そこからの精度やアイデアが全く感じられない。
そうこうしているうちにアルゼンチンに攻め疲れが見え始め、日本は武蔵を投入して相手の右サイドを抑えつつ基点作りをすると、その直後にモンテロがスライディングした日本の選手を足の裏で踏みつけて一発退場。数的優位になった日本は、74分にカウンターから秋野がシュート、これをまたまた相手GKがイージーなファンブルをして難なく押しこみ3点目。これで試合は決まってしまった。
アルゼンチンは、それまでの崩しが何だったんだというセンターサークルからの超ロングシュートを決めて1点を返すが反撃はそこまで。フランスがジャマイカに引き分けたために、勝ち点7の日本が堂々のグループ1位通過となった。
結果としては申し分ないんだけど、かなりアルゼンチンのしょぼさに助けられたという感じで、日本のパスワークはバルサのような選手個々の判断力や技術、スキルではなくて、あくまでオートマティズムで作られたものというのが露呈してしまったような気がするね。まあそれは決して悪いことではないんだけど、これからさらに上を狙うのであれば、オートマティズムが機能しない状態で個々がどういう打開が出来るかが鍵になって来るので、1つでも多くの試合を経験してレベルアップしてもらいたいものだ。