アドリアーノ、ダニルソン、乾の移籍に見る時代の流れ

昨日、アドリアーノにはカタールから4億円のオファーが、ダニルソンにはシュツットガルトが獲得意思という移籍報道が連発しましたね。
ガンバからの完全移籍で移籍金が入り、どちらかと言うと単独打開系でガンバのパスサッカーにはあまり合っていなかったアドリアーノと、レンタルで名古屋には1銭も移籍金が入らず、彼無しで名古屋の4-3-3が成り立たないダニルソンでは、両サポーターの移籍報道に関する反応が全然違っていて笑ってしまいました(笑)。
ガンバが国内からブラジル人ストライカーを引きぬき、それを中東クラブがさらにお買い上げという構図は既に恒例行事になってますが、日本にいる外国人選手を海外クラブが狙うというパターンはフッキ以来ですかね?
ただ、ダニルソンについてはJの契約切れを狙う欧州に対して、先に名古屋に買い取らせる狙いがあるという見解もあり、まだ話は流動的な部分が多そうです。
日本じゃ、移籍についてはすぐクラブへの愛がどうとかという話になりますが、アドリアーノも公言しているように外国人選手は年俸=自分への評価、家族の生活とストレートにつながっているのが普通で、インテルの不動のスタメンであるエトーやスナイデルが移籍について完全否定しないのも、より高いサラリーを狙っていると考えるのが普通でしょう。
ユトレヒトへの高木次男の移籍について、年俸はスポンサーが肩代わりするとの報道がある通り、日本人選手が単にJから欧州に行くだけでサラリーがど~んとアップする現実がある以上、日本の選手はそれを決して理由にはしないでしょうが、契約切れを待って移籍金無しで海外へと逃げられてしまったとしても、ボスマン判決がある以上、それだけの高年俸と契約年数を用意できなかったクラブの責任になってしまいますからね。
そして、同じく海外移籍が濃厚とされるセレッソの乾については、クルピ監督が今後は出場させないとの姿勢を打ち出しましたね。残った選手で連携を深めないといけないし、試合で怪我をすると移籍がおジャンになってクラブの資金計画が狂うために、海外じゃ結構当たり前に見るパターンなのですが、日本じゃそこまでドライに考える監督が少ないのと、移籍金が生じる移籍があまり活発でないので、クラブが移籍金前提の経営をしていないという面があるので珍しいですよね。
いずれにせよ、日本人選手が欧州で活躍する場面が増えたことで、今後いろいろなところから移籍の話が来る機会はますますアップするでしょう。この流れが逆らえないものである以上、Jリーグ側でも、これからは移籍でクラブ経営が向上するフローをしっかり構築していってもらいたいものです。