U-22は山村のためのチーム

昨日はロンドン五輪2次予選クウェート戦のメンバーが発表になりましたね。

GK:
権田修一(FC東京)
増田卓也(流通経済大学)
守田達弥(京都サンガF.C.)
安藤駿介(川崎フロンターレ)
DF:
比嘉祐介(流通経済大学)
村松大輔(清水エスパルス)
鈴木大輔(アルビレックス新潟)
吉田豊(ヴァンフォーレ甲府)
酒井宏樹(柏レイソル)
濱田水輝(浦和レッズ)
酒井高徳(アルビレックス新潟)
扇原貴宏(セレッソ大阪)
MF:
山本康裕(ジュビロ磐田)
清武弘嗣(セレッソ大阪)
山村和也(流通経済大学)
東慶悟(大宮アルディージャ)
山口螢(セレッソ大阪)
登里享平(川崎フロンターレ)
FW:
永井謙佑(名古屋グランパス)
山崎亮平(ジュビロ磐田)
大迫勇也(鹿島アントラーズ)
原口元気(浦和レッズ)

このメンバーを見ると、当然ながらフェイエノールトの宮市と、バイエルン移籍が噂されている宇佐美の落選に話題が集まってしまうわけですが、そこでポイントになって来るのが山村の存在なのではないかと思います。
これまでの親善試合やアジア大会を見ても、山村の守備は人への当たりが弱いという大きな弱点があり、カウンターを得意とするクウェートに対しては、相手のFWを抑えることよりもボールの出処に対してプレスをかける方が良いと判断したのでしょう。そうなると、守備力が劣る宮市や宇佐美の優先順位は必然的に下がります。
では、何故宮市や宇佐美の攻撃力を犠牲にしても山村を使うのか。それはひとえに、山村のパスセンスは他の選手で替えが効かないからでしょう。
李忠成に岡崎、本田、香川、長友、内田といった今やA代表の顔になった選手をずらりと揃えた北京五輪代表の結果は、3戦全敗と惨憺たる成績に終わりました。このチームは、前線に豊富なタレントを揃えていながらも、梶山や本田拓、細貝といったボランチ陣に展開力が無く、彼らにパスが通る前に潰されてしまうパターンを繰り返してしまっていました。
それは単にボランチだけのせいではなく、最後まで反町監督が選手選考をいじくり倒し、チームとしての戦い方がやっと固まったかなというところで本番を迎えてしまったために、試合での応用力が全く発揮できなかったせいでもあります。
今のところ、内容的には激しくブレがあるものの、結果は出しているチームに対して大きなメスを入れるのは自殺行為であり、現時点で固まっているチームをベースに経験値を上げて行くことは、北京の失敗を学んでいる指揮官としては当然の策でしょう。
ここから宇佐美や宮市の抜擢があるとすれば、彼らが飛躍的に守備面で成長を遂げるか、欧州リーグで強敵相手に得点という結果を出すだけの決定力を持つ事が必要になって来るでしょう。それは非常に厳しい壁ですがね。