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「代表にとっては不安な内容」J1第11節 サンフレッチェ広島-横浜Fマリノス(3-2)

J再開後は共に負けなしという好調同士の上位対決、得点も良く入ってエンターテイメントとしては良かったが、南米選手権辞退で揺れる代表にとってはちと不安が残る内容だったと言える。
もともとのイメージとは裏腹に、両チーム共にしっかりと守ってから速い攻撃を仕掛けるスタイルで今季は結果を出しており、横浜はSHの中村がほとんどボランチの位置に下がってパスを繰り出し、前線や谷口の飛び出し、SBの攻撃参加へとつなげるパターン、広島はDFラインに入った森崎兄やボランチの森崎弟から、鋭いグラウンダーで前線やWBにつなげ、ムジリがキープ力でアクセントと変化を付けて攻める感じ。
それでも、全体的な技術と前線のコンビネーションで上回る広島が、17分にミキッチのクロスから佐藤の頭、アジアカップを思い出させる李のボレーで先制すると、33分には李の単独ドリブル突破に横浜の3人のディフェンスが振り切られる素晴らしいゴールでリードする。
しかし横浜は前半終了間際に、伝家の宝刀である中村のセットプレイから中澤のヘッドで1点差に追いつくと、後半15分には長身FWキムクナンの突破を後ろからつかんで倒した広島の森脇にレッドが与えられ、横浜は人数で優位に立つ。
当然1点ビハインドの横浜がそこから広島を自陣に押しこむようになるが、逆に後半22分に一瞬の隙からカウンターを食らい、抜けだした李に横浜のディフェンスが引き付けられたところで、どフリーでいたムジリにパスが通り、GKのタイミングを外す技ありシュートを決められてしまう。
横浜も中村のミドルでまたも1点差に迫り、そこからは互いにスペースがある中を攻め合い、最後は横浜がパワープレイで広島を攻め立てたが結局追いつけず、上位対決はホーム広島に軍配が上がった。
広島の勝因は、2得点を挙げるだけでなく終始動きがキレキレだった李の好調ぶりにあるのだろうが、中澤と栗原という現役最強クラスのCBがそれにあっさりとやられてしまったのは情けないし、中村のミドルをファンブルして後逸した西川も何だかなあと言う感じで、これでメッシを相手にしていたらどうなってたんだろうと思ってしまったよ。
南米選手権が無くなったからと言って、気を抜いて戦っているとアジア予選でさえ足元をすくわれる羽目になるのは確実なので、もっと気合の入ったプレイをお願いしたいものである。

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