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「チームはバラバラのまま崖っぷち」ドイツ・ブンデスリーガ第33節 ヴォルフスブルク-カイザースラウテルン(1-2)

マスコミの報道などでは、ヴォルフスブルクが攻めまくったが得点は1点に留まり、カイザースラウテルンは2つのセットプレイで逆転したと書いてあり、ヴォルフスブルクがシュート21本、CK10本に対してカイザースラウテルンはそれぞれ3本と3本とデータもそれを裏付けてはいるのだが、試合を見た感想としてはヴォルフスブルクが負けるべくして負けたという印象が強い。
ヴォルフスブルクは、本来は右の位置にいる長谷部が3ボランチの左の位置で先発したが、その謎な配置が証明するようにチーム全体でどう動いてどうパスを回すかのコンセンサスがほとんど取れておらず、ほとんどが前線へのロングボールを相手が跳ね返したセカンドボールを個人の出足だけで拾っている攻撃であり、チームワークで攻めようという意図が全く感じられなかった。
それでも、直接的な成績へのモチベーションが無いカイザースラウテルンに対し、出足で勝るヴォルフスブルクがセカンドボールを拾い続けて山のようなセットプレイのチャンスを得たのだが、何度も何度もジエゴがボールを蹴っても得点にならず、逆にヴォルフスブルクの選手はセットプレイであっさり相手をフリーにしてしまって失点と、まさにサッカーを舐めてるとこうなるぞという神様からのしっぺ返しを受けたかのようであった。
パスはそこら中でノッキングを起し、1ボランチのジョズエまでポジションを崩して前に攻め上がってしまうチーム状況の中では、シンプルにプレイしてなんぼの長谷部が輝けるはずもなく、とりあえず前後に走り回ってはいたが当然ながら後半にガス欠し、中盤が間延びした中での交代。選手としてもチームとしても不完全燃焼に終わってしまった。
とは言え、マガトは短期間で戦術をどうこう出来る能力があるわけではなく、今やヴォルフスブルクに残された手段は相手より走り勝つサッカーしか無いわけで、この方針は次の最終節でもおそらく変わることはないであろう。
ヴォルフスブルクは現在15位で、自動降格のフランクフルトとは勝ち点1差、プレイオフのボルシアMGとは勝ち点0だが、得失点差では大きく上回っているので、とにかく次のホッフェンハイム戦に勝てば残留は決定する。幸い、フランクフルトはアウェイで首位ドルトムント、ボルシアMGは同じくアウェイでHSV戦なので、条件面で不利な部分は無い。何とか長谷部も無事残留を決めて欲しいものだ。

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